第110回 看護師国家試験 午後 問104 解説

状況設定小児看護学✔ 監修済み

📝 問題

Aちゃん(6か月、女児)はRSウイルスによる急性細気管支炎と診断され去痰薬が処方された。Aちゃんは、発熱が続き、哺乳量が減ってきたため2日後に再度来院した。来院時、体温39.4℃、呼吸数60/分、脈拍154/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(room air)、口唇色と顔色はやや不良であった。胸部エックス線撮影で肺炎像は認められない。Aちゃんは、経口摂取不良と呼吸困難のため、母親が付き添って入院することとなった。酸素吸入と点滴静脈内注射が開始された。 入院前のAちゃんについて母親から収集すべき情報で優先度が高いのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 経口摂取不良で脱水が疑われるため、最終排尿の時間(尿量減少=脱水の指標)が優先度が高い。

Aちゃんは哺乳量が減り、SpO2 92%・呼吸数60/分と呼吸状態が悪化して入院した。経口摂取が不良なので、脱水の評価が要になる。 最終排尿の時間は尿量=体液量の減少をそのまま映す指標で、最後にいつ出たかが分かれば脱水の程度を見積もれる。輸液を始めるかどうかの判断材料にもなる。

去痰薬の内服状況は治療を調整するための情報で、いま急いで確かめるものではない。 皮膚搔痒は、細気管支炎とも脱水とも結びつきが薄い。 排便の状況も脱水の評価に使えるが、水分の不足をより早く映すのは尿である。

去痰薬とは

痰を出しやすくする薬。痰をやわらかくしたり、気道が痰を運び出す動きを助けたりする。

体液量とは

体の中にある水分の総量。乳児は体重に占める割合が大きく、少し失っただけでも影響が出やすい。

  • 1

    去痰薬の内服状況不正解

    去痰薬の内服状況は治療調整の情報ではあるが、現在の脱水・呼吸障害の緊急評価では優先度が低い。

  • 2

    最終排尿の時間正解

    最終排尿時間は尿量減少=脱水の程度を反映する重要指標で、経口摂取不良の本例で最優先。

  • 3

    皮膚搔痒の有無不正解

    皮膚搔痒の有無は本病態(細気管支炎・脱水)のアセスメントの主眼ではない。

  • 4

    排便の状況不正解

    排便状況も重要ではあるが、脱水評価では最終排尿の情報の方が優先度が高い。

📚 2つのサインを見分ける

細気管支炎の乳児では、脱水のサインと呼吸不全のサインが並べて出される。乳児は体重あたりの水分必要量が多く脱水になりやすい。尿と体重は脱水、呼吸の型は呼吸不全と、みる場所を分けて読み取りたい。

  • 脱水の指標=尿量・最終排尿時刻、体重、大泉門の陥凹、皮膚のツルゴール低下、口腔粘膜の乾燥、涙が出ない、活気
  • 体重は最も鋭敏な指標で、平常時からの減少率で脱水の程度を評価する
  • 細気管支炎では多呼吸による不感蒸泄の増加と哺乳量の低下が重なり、脱水が進みやすい
  • 陥没呼吸・鼻翼呼吸・呻吟・チアノーゼ・SpO2の低下は呼吸不全のサイン

出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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