第110回 看護師国家試験 午後 問102 解説
📝 問題
Aちゃん(生後3週)は肥厚性幽門狭窄症で入院し全身状態の安定を待って手術する方針となった。入院後3日。Aちゃんは全身状態が安定し、全身麻酔下で腹腔鏡を用いた粘膜外幽門筋切開術(Ramstedt〈ラムステッド〉手術)を受けた。 術後の看護で適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ ラムステッド手術後は嘔吐予防のため、授乳前後の排気(げっぷ)を行う。
粘膜外幽門筋切開術(ラムステッド手術)は、肥厚した幽門筋だけを切開して通り道を広げる術式である。粘膜は切らずに残すため消化管をつなぐ操作がなく、縫合不全は問題にならない。 術後は哺乳を再開するがまだ嘔吐しやすいので、授乳前後の排気(げっぷ)で飲み込んだ空気を出し、嘔吐・誤嚥を防ぐ。
完全母乳栄養で経過しており、術後に人工乳へ変える必要はない。 予防接種は急性期に立てる計画ではなく、退院後に月齢に応じて進める。 授乳は少量ずつ・こまめに再開し、授乳後は上体を高くして嘔吐を防ぐのが術後管理の要点である。
粘膜外幽門筋切開術とは
肥厚した幽門の筋肉だけを縦に切り開き、内側の粘膜は残す手術。Ramstedt(ラムステッド)手術ともいう。
縫合不全とは
手術でつなぎ合わせた部分がくっつかず、内容物が漏れること。消化管をつなぐ手術で警戒する合併症。
- 1
授乳前後の排気正解
術後も嘔吐しやすいため、授乳前後の排気で空気を出し嘔吐・誤嚥を予防する。
- 2
人工乳への変更不正解
完全母乳栄養で経過しており、術後に人工乳へ変更する必要はない。
- 3
予防接種の計画立案不正解
予防接種は急性期術後に計画する事項ではなく、退院後の月齢に応じて対応する。
- 4
腸管の縫合不全の観察不正解
幽門筋のみを切開し腸管を吻合しない術式のため、縫合不全の観察は主眼ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
ラムステッド手術は、何を切って何を切らないかが術後看護の答えを決める。肥厚した幽門筋だけを切開し消化管はつながない術式なので縫合不全は問題になりにくい、と結びつけて覚えよう。
- 術後は比較的早期から少量ずつ授乳を再開し、経過をみて量を増やしていく
- 授乳前後の排気(げっぷ)と、授乳後に上体を高くする体位で嘔吐・誤嚥を防ぐ
- 術後しばらく嘔吐がみられることがあるが、多くは自然に軽快する
- 母乳栄養はそのまま継続してよく、人工乳に変更する必要はない
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について