第110回 看護師国家試験 午前 問69 解説

一般看護の統合と実践✔ 監修済み

📝 問題

病院における医療安全文化の醸成につながる行動はどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 他病棟のインシデントから学ぶことが医療安全文化の醸成につながる

医療安全文化とは、組織全体でエラーや事故を責めるのではなく学びの機会として共有し、再発防止に活かす風土である。他の病棟で起こったインシデントについて学ぶことは、情報を組織横断的に共有して同じ事故を未然に防ぐ行動であり、安全文化の醸成につながる。

他の選択肢は安全文化に反する。 食事介助を30分以内に行うルールは、時間を優先して安全な介助や誤嚥予防をおろそかにしかねない。 「間違えても影響がなければ説明しない」や「こぼれた量が少なければそのまま」は、事実の隠蔽・見過ごしであり、報告と情報共有を土台とする安全文化と相容れない。

「エラーを個人の責任として責めず、報告・共有・学習を通じてシステムとして再発を防ぐ」という考え方を押さえておくとよい。

水平展開とは

1か所で見つかった対策を、まだ事故が起きていない他の部署にも先回りして広げること。起きる前に止めるのが狙いである。

  • 1

    食事介助は30分以内で行うルールを決める。不正解

    時間の制約を優先するルールは安全な介助や誤嚥予防を損なう恐れがあり、安全文化に資さない。

  • 2

    他の病棟で起こったインシデントについて学ぶ。正解

    他病棟のインシデントを学ぶことは組織横断の情報共有・水平展開であり、安全文化の醸成につながる。

  • 3

    薬剤を間違えても影響がない場合は患者に説明しない。不正解

    影響がなくても間違いを説明しないのは隠蔽であり、報告・共有の文化に反する。

  • 4

    水薬の内服時にこぼれた量が少ない場合はそのままとする。不正解

    こぼれた量が少なくてもそのままにするのは見過ごしであり、正確な内服管理と報告の姿勢に反する。

📚 国試でよく狙われるところ

医療安全は、用語の定義と報告の仕組みを取り違えた形で問われる。数字を含む用語は、数字ごと覚えよう。 安全は個人の注意力ではなくシステムで守る。エラーは避けられない前提で、エラーが事故に至らない仕組み(フェイルセーフ・フールプルーフ)をつくる。

  • ハインリッヒの法則=1件の重大事故の背後に29件の軽微な事故があり、その背後に300件のヒヤリ・ハットがある
  • インシデント=患者に実害が及ばなかった事象/アクシデント=実害が生じた事象
  • 非懲罰的で匿名性が守られる報告制度が、報告数を増やし再発防止につながる
  • 根本原因分析〈RCA〉で発生後の原因を掘り下げ、FMEA(工程の弱点を先に洗い出す分析)で発生前にリスクを予測する
  • 医療事故調査制度=予期しない死亡・死産は医療事故調査・支援センターへ報告する(医療法)

出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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