第110回 看護師国家試験 午前 問59 解説
📝 問題
早期新生児の生理的黄疸で正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 生理的黄疸は生後4、5日ころにピークとなる。
新生児の生理的黄疸は、生後2〜3日ころから出現し、生後4〜5日ころにピークを迎え、その後7〜10日ころにかけて軽減していく。ビリルビンの産生増加と肝臓での処理能力の未熟さによる一過性の黄疸で、正常な経過である。
他の選択肢は、黄疸の現れ方や見分けの目安の理解が誤っている。 生後24時間以内に出現する黄疸は「早発黄疸」と呼ばれ、溶血性疾患などを示唆する病的黄疸である。 黄疸による皮膚の黄染は一般に顔面・頭部から始まり、進行すると体幹・四肢へと下方に広がるため、腹部から始まるわけではない。 便が灰白色になるのは胆道閉鎖症など胆汁排泄障害を示す異常所見であり、生理的黄疸では便色は正常である。
ビリルビンとは
古くなった赤血球が壊れるときにできる黄色い色素。血液中に増えると皮膚や白目が黄色くなる。
胆道閉鎖症とは
肝臓でつくられた胆汁が腸へ流れない先天性の病気。黄疸が続き、放置すると肝硬変に進むため早期の手術が必要になる。
- 1
生後24時間以内に出現し始める。不正解
生後24時間以内の黄疸は早発黄疸で、病的黄疸を疑う所見である。
- 2
皮膚の黄染は、腹部から始まる。不正解
黄染は顔面・頭部から始まり下方へ広がるため、腹部からではない。
- 3
生後4、5日でピークとなる。正解
生理的黄疸は生後2〜3日に出現し、4〜5日ころにピークとなる。
- 4
便が灰白色になる。不正解
灰白色便は胆道閉鎖症などを示す異常で、生理的黄疸ではみられない。
📚 混同しやすいので注意
黄疸は、生理的か病的かの見分けがそのまま問われる。出はじめの時期・続く長さ・便の色の3つで分けると迷わない。 新生児に黄疸が出やすいのは、赤血球の寿命が短く、肝でのビリルビン抱合能が未熟なためである。
- 病的黄疸を疑うのは、生後24時間以内の出現(早発黄疸)、急激な上昇、生後2週間を超えて続く遷延性黄疸、直接ビリルビン優位、灰白色便。
- 重症化するとビリルビン脳症(核黄疸)をきたし、筋緊張低下・哺乳力低下・甲高い泣き声・後弓反張を示す。
- 治療は光線療法、重症例では交換輸血。光線療法中はアイマスクで眼を保護し、体温・脱水・排便を観察する。
- 母乳性黄疸は遷延することがあるが、多くは経過良好である。
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について