第110回 看護師国家試験 午前 問35 解説
📝 問題
成人の睡眠中に分泌が増加するホルモンはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 睡眠中に分泌が増加するのは成長ホルモン。
成長ホルモンは下垂体前葉から分泌され、深いノンレム睡眠(徐波睡眠)中に分泌が最も高まる。 入眠後まもなく訪れる深睡眠期に大量に分泌されるため、「寝る子は育つ」という言葉のとおり、成長期の身体発育や組織修復に重要である。
他の選択肢は睡眠と結びつかない。アドレナリンは覚醒・ストレス・活動時に分泌が高まる副腎髄質ホルモンで、睡眠中はむしろ低下する。 甲状腺ホルモンは基礎代謝を維持するが、睡眠に合わせて増えるわけではない。 オキシトシンは分娩・射乳や社会的結合に関わるホルモンで、睡眠との明確な増加関係はない。
下垂体前葉とは
脳の底からぶら下がる下垂体の前側の部分。成長ホルモンや甲状腺刺激ホルモンなど、多くのホルモンをつくって出す。
ノンレム睡眠とは
眼球が動かず、脳が休んでいる眠り。深い段階では脳波がゆっくりになり、体の修復が進む。
- 1
アドレナリン不正解
アドレナリンは活動・ストレス時に高まり、睡眠中はむしろ低下する。
- 2
オキシトシン不正解
オキシトシンは分娩・射乳や愛着に関わり、睡眠特異的な増加はない。
- 3
成長ホルモン正解
成長ホルモンは深いノンレム睡眠中に分泌が最大となる。
- 4
甲状腺ホルモン不正解
甲状腺ホルモンは基礎代謝を担うが、睡眠中に特異的に増えるわけではない。
📚 丸暗記より仕組みで覚えよう
ホルモンは「いつ高いか」がそのまま選択肢になる。睡眠と覚醒のどちらで上がるのかを結びつけておきたい。 ホルモンには日内変動があり、採血の時刻が結果を左右するものもある。
- 成長ホルモン=入眠後の深いノンレム睡眠時に分泌が最大となる。
- コルチゾール=早朝(起床前後)に最高、夜間に最低となる。
- メラトニン=夜間の暗環境で増加し、概日リズムと入眠を調節する。朝の光を浴びると分泌が抑えられる。
- 抗利尿ホルモン(ADH)=夜間に増えて夜間尿量を減らす。加齢でこの変動が乏しくなると夜間頻尿を生じる。
出典:「第110回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について