第109回 看護師国家試験 午後 問81 解説
📝 問題
健常な成人において、血液中のグルコース濃度が低下した時に、グルカゴンの働きでグリコゲンを分解してグルコースを生成し、血液中に放出するのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ グリコゲンを分解して血糖を放出するのは肝臓である。
血糖が下がると膵臓からグルカゴンが分泌され、肝臓にたくわえられていたグリコゲンが分解されてグルコースになり、血液中へ放出される。 肝臓は、できたグルコースを血液へ送り出せる形に変える酵素(グルコース-6-ホスファターゼ)をもつため、血糖を保つ中心の役割を担う。
他の臓器は、血糖を送り出す側にはならない。 骨格筋もグリコゲンをたくわえるが、この酵素をもたないので血液へは出せず、自分が動くためのエネルギーに使う。心臓も同じく、取り込んだグルコースを自分の拍動に使う。 脂肪組織はエネルギーを脂肪の形でたくわえ、膵臓はグルカゴンやインスリンを出す側である。
- 1
肝臓正解
肝臓はグリコゲンを分解しグルコースを血中に放出できる。
- 2
骨格筋不正解
骨格筋もグリコゲンをたくわえるが、グルコースを血中へ出す酵素がなく、自分のエネルギーに使う。
- 3
脂肪組織不正解
脂肪組織はエネルギーを脂肪として貯蔵する器官。
- 4
心臓不正解
心臓は取り込んだグルコースを拍動のエネルギーに使い、血糖を放出する働きはない。
- 5
膵臓不正解
膵臓はホルモンを分泌する器官で、血糖の放出源ではない。
📚 関連知識
| ホルモン(分泌部位) | 血糖への作用 | 主な機序 |
|---|---|---|
| インスリン(膵ランゲルハンス島β細胞) | 下げる | 細胞へのグルコース取り込み促進、グリコゲン合成促進 |
| グルカゴン(膵ランゲルハンス島α細胞) | 上げる | 肝グリコゲン分解、糖新生の促進 |
| アドレナリン(副腎髄質) | 上げる | グリコゲン分解の促進 |
| コルチゾール(副腎皮質) | 上げる | 糖新生の促進、末梢での糖利用の抑制 |
| 成長ホルモン(下垂体前葉) | 上げる | 末梢での糖利用の抑制 |
血糖を下げるホルモンはインスリンだけで、上げるホルモンは複数ある。低血糖への備えが厚くできている。
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について