第109回 看護師国家試験 午後 問43 解説
📝 問題
中心静脈栄養法(TPN)で高カロリー輸液を用いる際に、起こりやすい合併症はどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ TPNの高カロリー輸液では高血糖が起こりやすい。
中心静脈栄養法(TPN)では高濃度のブドウ糖を含む高カロリー輸液を投与するため、糖の急激な負荷により高血糖をきたしやすい。 投与速度が速い場合やインスリンの分泌が不十分な場合に特に生じやすく、血糖値の定期的な監視とインスリン投与による管理が必要である。
高血圧はTPNの典型的な合併症ではない。 末梢静脈炎は末梢静脈栄養で問題となるが、TPNは高浸透圧の輸液を中心静脈から投与するため末梢静脈炎は回避される。 正中神経麻痺は手首などで神経が圧迫されて起こるもので、TPNとは関連しない。 TPNではこのほか、感染(カテーテル関連血流感染)や急激な中止による低血糖にも注意する。
高浸透圧とは
輸液の濃さが濃いこと。細い末梢の静脈に入れると血管の内側を傷めて静脈炎を起こすが、血流の多い中心静脈ではすぐに薄まる。
- 1
高血圧不正解
高血圧はTPNの典型的な合併症ではない。
- 2
高血糖正解
高濃度ブドウ糖の負荷により高血糖をきたしやすい。
- 3
末梢静脈炎不正解
末梢静脈炎は末梢静脈栄養の問題で、中心静脈投与のTPNでは回避される。
- 4
正中神経麻痺不正解
正中神経麻痺は手首などで神経が圧迫されて起こるもので、TPNの合併症ではない。
📚 ここも一緒におさえておこう
中心静脈栄養の合併症は、入れるときに起こるものと、入れているあいだに起こるものに分けて問われる。 起こる時期と結びつけて覚えよう。
- 代謝性合併症=高血糖(投与速度が速い)、急な中止による低血糖、電解質異常、必須脂肪酸欠乏
- 長期の絶食後に急に栄養を始めると低リン血症などをきたすリフィーディング症候群に注意する
- 挿入時の合併症に気胸・動脈穿刺・空気塞栓があり、挿入後は胸部X線で先端位置を確認する
- 輸液ラインの管理は無菌操作で行い、輸液は開始後24時間以内に使い切る
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について