第109回 看護師国家試験 午後 問31 解説
📝 問題
急性骨髄性白血病の検査所見で正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 急性骨髄性白血病では白血球分画に白血病裂孔を認める。
急性骨髄性白血病(AML)は骨髄で幼若な骨髄芽球が腫瘍性に増殖する疾患である。 末梢血には成熟した好中球と幼若な芽球が出現する一方、その中間段階の細胞が欠落する。 この現象を白血病裂孔とよび、AMLに特徴的な所見である。
骨髄が白血病細胞で占拠されるため、正常な造血が抑制され、赤血球・血小板・正常白血球はいずれも減少する(汎血球減少)。 貧血・出血傾向・易感染性が三大症状となる。 診断にはミエロペルオキシダーゼ(MPO)染色が用いられ、AMLでは芽球のMPO陽性率が3%以上を示す(3%未満はリンパ性を示唆)。
ミエロペルオキシダーゼ(MPO)とは
骨髄系の細胞がもつ酵素。染色して陽性なら骨髄性、陰性ならリンパ性の白血病と判断する。
- 1
赤血球数が増加する。不正解
正常造血が抑制されるため赤血球は減少し貧血を呈する。増加ではない。
- 2
血小板数が増加する。不正解
血小板も産生が抑制され減少し、出血傾向をきたす。増加ではない。
- 3
白血球分画に白血病裂孔を認める。正解
芽球と成熟球のみで中間段階を欠く白血病裂孔はAMLに特徴的な所見である。
- 4
ミエロペルオキシダーゼ反応陽性が3 %未満である。不正解
AMLではMPO陽性率が3%以上。3%未満はリンパ性白血病を示唆する。
📚 ここも一緒におさえておこう
急性白血病は骨髄で芽球が腫瘍性に増殖する疾患で、骨髄中の芽球20%以上で診断される(WHO分類)。
- 三大症状は貧血・出血傾向・易感染性。いずれも正常造血が抑えられることによる
- ミエロペルオキシダーゼ(MPO)染色陽性(3%以上)は骨髄性、陰性はリンパ性を示唆する
- 急性前骨髄球性白血病(APL)は播種性血管内凝固(DIC)を合併しやすく、ATRA(全トランス型レチノイン酸)が有効
- 慢性骨髄性白血病ではフィラデルフィア染色体がみられ、白血病裂孔はみられない
- 化学療法中は骨髄抑制による好中球減少に備え、感染予防(含嗽・手指衛生・生ものを避ける)を指導する
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について