第109回 看護師国家試験 午後 問111 解説
📝 問題
次の文を読み109〜111の問いに答えよ。 A さん(22歳、女性、会社員)は神経性過食症と診断され精神科病棟に入院した。入院後3週、A さんの精神状態は落ち着き、職場に早く戻りたいと意欲があったため、退院に向けての準備をすることになった。自傷行為は、入院前の1回のみだった。A さんは「また過食をしないか心配だ」と看護師に訴えた。そのため主治医は A さんと話し合い認知行動療法が開始となった。 A さんの退院に向けて、医師、看護師のチームと連携するメンバーで最も適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 認知行動療法を担う専門職として、臨床心理士との連携が最も適切である。
Aさんには認知行動療法が始まっている。 これは心理療法であり、担当・実施する専門職である臨床心理士(公認心理師)がチームに加わることが最も適切である。 過食の再発予防に向けた心理面の支援を、医師・看護師と連携して進める。
他の4つは、認知行動療法を実施する立場にない。 栄養士・薬剤師・精神保健福祉相談員は、それぞれ栄養、薬、生活支援の面からチームを支える。 ゲートキーパーは資格ではなく、悩みに気づいて支援につなぐ役割を担う人を指す。
認知行動療法とは
ものごとの受け取り方(認知)と行動に働きかけて、つらさや止められない行動を減らしていく心理療法。過食や不安の治療に用いられる。
- 1
栄養士不正解
栄養士は栄養指導で重要だが、認知行動療法を担う職種ではない。
- 2
薬剤師不正解
薬剤師は薬物療法に関わるが、認知行動療法の実施者ではない。
- 3
臨床心理士正解
認知行動療法を担う心理専門職として臨床心理士との連携が最も適切。
- 4
ゲートキーパー不正解
ゲートキーパーは自殺予防で気づき支援につなぐ役割で、専門職として認知行動療法を担わない。
- 5
精神保健福祉相談員不正解
精神保健福祉相談員は社会資源・生活支援の連携役で、認知行動療法の担当ではない。
📚 関連知識
| 職種 | 主な役割 |
|---|---|
| 公認心理師・臨床心理士 | 心理検査、心理療法(認知行動療法など)、心理教育 |
| 精神保健福祉士(PSW) | 生活・就労・住まいの相談、社会資源の調整、退院支援 |
| 作業療法士(OT) | 作業活動を通じた生活機能・社会機能の回復支援 |
| 薬剤師 | 服薬指導、副作用のモニタリング、多剤併用の確認 |
| 管理栄養士 | 栄養状態の評価と、食行動に応じた栄養指導 |
精神保健福祉相談員は保健所や精神保健福祉センターで相談に応じる職員で、精神保健福祉士などが任用される。ゲートキーパーは自殺予防で悩みに気づき、見守り、専門機関につなぐ役割を担う人を指す。
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について