第109回 看護師国家試験 午前 問85 解説
📝 問題
もやもや病で正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
2・3
💡 解説
✅ もやもや病は遺伝的要因が関与し、病変は脳底部のくも膜下腔にある。
もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)は、内頸動脈終末部を中心に脳の太い血管が少しずつ細くなり、詰まっていく病気である。 足りなくなった血流を補う側副血行路として、脳底部に細い血管が網の目のように発達する(異常血管網)。 脳血管撮影でこれが煙のようにもやもやと見えることが病名の由来である。
家族内での発症がみられ、RNF213遺伝子など遺伝的要因の関与が知られている。 内頸動脈終末部の狭窄も脳底部の異常血管網も、くも膜下腔を走る血管に生じる。 もやもや病は指定難病であり、ウイルス感染で誘発される病気ではない。
小児では過換気(啼泣など)をきっかけとする一過性脳虚血発作、成人では脳出血という形で発症しやすい。 なお本問は、複数の解答の組合せが正解として認められている。
側副血行路とは
本来の血管が細くなったり詰まったりしたときに、血流を迂回させるために新しく発達する別の血管の道。
- 1
指定難病ではない。不正解
もやもや病は指定難病であり、医療費助成の対象となる。
- 2
遺伝的要因が関与する。正解
家族内での発症がみられ、RNF213遺伝子など遺伝的要因が関与する。
- 3
病変はくも膜下腔にある。正解
狭窄する内頸動脈終末部も、代わりに発達する異常血管網も、脳底部でくも膜下腔を走る血管である。
- 4
進行性の脳血管閉塞症である。不正解
進行性に脳血管が閉塞していく病気であり、この記述自体は誤っていない。
- 5
ウイルス感染によって誘発される。不正解
成因は明らかになっておらず、遺伝的素因の関与が知られている。ウイルス感染による誘発は確かめられていない。
📚 混同しやすいので注意
もやもや病は、発症する年齢で症状の出方が変わるところが問われる。小児は虚血(脱力発作)、成人は出血と対にして覚えよう。 指定難病の一つで、発症年齢には二峰性のピークがある。
- 小児例は過換気(大泣き、笛やハーモニカを吹く、熱い麺をふうふう冷ますなど)で二酸化炭素分圧が下がり脳血管が収縮して、一過性の脱力発作を起こしやすい。
- 成人例は脆弱なもやもや血管の破綻による脳出血・脳室内出血での発症が多い。
- 診断は脳血管造影やMRA(内頸動脈終末部の狭窄・閉塞と、脳底部の異常血管網)による。
- 外科治療は血行再建術(バイパス術)で、直接(STA-MCA吻合)と間接(EDASなど)がある。
- 脱水と過換気は虚血発作の誘因になるため、十分な水分摂取と、泣かせすぎない配慮が生活指導の要点。
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について