第109回 看護師国家試験 午前 問71 解説
📝 問題
A さん(88歳、男性)は、長女(60歳、無職)と2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度判定基準ランクC2。仙骨部の褥瘡の治療のため、膀胱留置カテーテルを挿入することになった。 膀胱留置カテーテルを挿入中の A さんを介護する長女に対して、訪問看護師が指導する内容で適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 膀胱留置カテーテル管理では、尿に浮遊物がないか確認するよう指導する。
膀胱留置カテーテルを挿入中の在宅療養者では、介護する家族に尿の性状(色・混濁・浮遊物・血尿など)を観察してもらうことが、感染や閉塞の早期発見につながる。 尿に浮遊物がないか確認するよう伝えることが適切である。
仙骨部に褥瘡があっても、陰部・殿部の清潔保持は感染予防のために重要で、洗浄しないのは誤りである。 蓄尿バッグは常に膀胱より低い位置に保つ。体位変換ごとに空にする必要はなく、尿の逆流を防ぎながら定期的に廃棄する。頻回な開放はかえって感染リスクを高める。 カテーテルは、男性では尿道損傷(陰茎陰囊角の圧迫壊死)を防ぐため下腹部に固定するのが基本で、太ももへの固定は女性の場合である。 国試では尿路感染予防と固定部位が頻出である。
陰茎陰囊角とは
陰茎の付け根と陰囊のあいだにできる角のこと。カテーテルを太ももへ固定するとここが折れ曲がって圧迫され、尿道が傷つく。
- 1
「褥瘡が治癒するまでおしりは洗浄しないでください」不正解
清潔保持は感染予防に重要で、褥瘡があっても殿部・陰部の洗浄は必要である。
- 2
「体位変換ごとに蓄尿バッグを空にしてください」不正解
体位変換ごとにバッグを空にする必要はなく、頻回な開放は感染リスクを高める。
- 3
「カテーテルは太ももに固定してください」不正解
男性では尿道損傷予防のため下腹部に固定するのが基本で、太もも固定は不適切である。
- 4
「尿に浮遊物がないか確認してください」正解
尿の浮遊物・混濁の確認は尿路感染や閉塞の早期発見につながり適切である。
📚 ここも一緒におさえておこう
カテーテル関連尿路感染(CAUTI)の予防で最も効果があるのは、不要になったら早く抜くこと。 留置中は閉鎖式回路を保つことと、尿を逆流させないことが二本柱になる。
- 蓄尿バッグは膀胱より低い位置に保ち、床には直接置かない。移送時は一時的にも膀胱より高くしない。
- 固定部位は、男性は下腹部(陰茎陰囊角の圧迫壊死・尿道損傷を防ぐ)、女性は大腿部が基本。
- 陰部・殿部の清潔保持は感染予防に重要で、石けんと微温湯で毎日洗浄する(消毒の常用は不要)。
- 閉塞予防と希釈のため、禁忌がなければ十分な飲水を勧める。
| 所見 | 考えられること |
|---|---|
| 混濁・浮遊物 | 尿路感染、結晶の析出 |
| 血尿 | カテーテルによる粘膜損傷、感染、結石 |
| 尿量の急減・流出の停止 | カテーテルの閉塞・屈曲、脱水 |
| 強いアンモニア臭 | 尿素分解菌による感染 |
| 発熱・悪寒・腰背部痛 | 腎盂腎炎など上行性感染 |
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について