第109回 看護師国家試験 午前 問66 解説

一般精神看護学✔ 監修済み

📝 問題

A さん(25歳、男性)は、統合失調症と診断された。抗精神病薬の内服を開始した2日後、A さんはそわそわして落ち着かず「足がムズムズする」と歩き回るようになった。 A さんにみられている状態はどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ 抗精神病薬による「足がムズムズしてじっとしていられない」状態はアカシジアである。

アカシジア(静座不能)は、抗精神病薬などの副作用として現れる錐体外路症状の一つである。 「じっとしていられない」「足がムズムズする」といった主観的な落ち着かなさと、歩き回る・足踏みするなどの運動亢進を特徴とする。 設問のAさんの状態はこれに一致する。

錐体外路症状には、アカシジアのほか、急性ジストニア(眼球上転・斜頸・後弓反張など持続的な筋緊張)、パーキンソニズム(振戦・筋固縮・無動)、遅発性ジスキネジア(口をもぐもぐさせるなど不随意運動、長期服用で出現)がある。 ミオクローヌスは瞬間的な筋の不随意収縮で、抗精神病薬の代表的副作用ではない。 国試ではこれらの錐体外路症状の鑑別が頻出である。

錐体外路症状とは

体の動きをなめらかに調節する神経のはたらきが、薬などで乱れて出る症状。ふるえ・筋のこわばり・じっとしていられない、などが起こる。

  • 1

    アカシジア正解

    「足がムズムズして歩き回る」静座不能はアカシジアの典型症状である。

  • 2

    ジストニア不正解

    ジストニアは眼球上転・斜頸など持続的な筋緊張異常で、静座不能とは異なる。

  • 3

    ジスキネジア不正解

    ジスキネジアは口をもぐもぐさせる等の不随意運動で、多くは長期服用後に出現する。

  • 4

    ミオクローヌス不正解

    ミオクローヌスは瞬間的な筋収縮で、抗精神病薬の代表的副作用ではない。

📚 ここも一緒におさえておこう

抗精神病薬の副作用は、症状と原因の組合せを入れ替えて問われる。4つのグループで覚えよう。 ・錐体外路症状(ドパミンD2受容体遮断による) ・抗コリン作用(口渇・便秘・尿閉・かすみ目) ・高プロラクチン血症(乳汁分泌・月経異常) ・代謝系の副作用(体重増加・耐糖能異常。非定型薬で問題になりやすい)

  • 悪性症候群は高熱・著明な筋強剛・意識障害・発汗・CK上昇を呈する緊急性の高い副作用。
  • 悪性症候群を疑ったら、ただちに原因薬を中止し、輸液・冷却・ダントロレン投与を行う。
  • 遅発性ジスキネジアは長期投与後に出現し、薬を中止しても残ることがある。
  • 錐体外路症状には抗パーキンソン病薬(抗コリン薬)が用いられるが、遅発性ジスキネジアには効かない。かえって悪化させることもある。
主な錐体外路症状の鑑別
症状特徴出やすい時期の目安
急性ジストニア眼球上転、斜頸、後弓反張など持続的な筋緊張投与開始数時間〜数日
アカシジアじっとしていられない、足のむずむず感、歩き回る投与開始数日〜数週
パーキンソニズム安静時振戦、筋固縮、無動、小刻み歩行投与開始数週〜数か月
遅発性ジスキネジア口をもぐもぐさせる、舌の不随意運動長期(数か月〜年)投与後

出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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