第109回 看護師国家試験 午前 問53 解説
📝 問題
軽度認知障害で正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 軽度認知障害(MCI)では実行機能などの認知機能低下が認められる。
軽度認知障害(MCI〈エムシーアイ〉)は、正常と認知症の中間段階で、記憶を中心とした認知機能の軽度の低下が客観的に認められるが、日常生活動作(ADL〈エーディーエル〉)は自立している状態である。低下するのは記憶だけではなく、段取りを立てて物事を進める実行機能の障害もみられる。
MCIは一過性ではなく、一部は認知症へ進行する。物忘れを自覚していることもあるが、自覚は診断に欠かせない条件ではない。ADLが障害されるのは認知症の段階で、MCIではADLは保たれる。 早期に気づいて生活習慣を整えることが、認知症への進行を遅らせることにつながる。
実行機能とは
目標を決め、手順を組み立てて最後までやり遂げる力。料理の段取りやお金の管理でつまずくのは、この力が落ちたときである。
- 1
一過性の障害である。不正解
MCIは一過性ではなく、一部は認知症へ進行しうる状態である。
- 2
実行機能障害がある。正解
MCIでは記憶や実行機能などの認知機能の軽度低下が客観的に認められる。
- 3
物忘れを自覚している。不正解
物忘れの自覚はあることもあるが、診断の必須要件ではない。
- 4
日常生活動作(ADL)が障害される。不正解
ADLが障害されるのは認知症段階で、MCIではADLは保たれる。
📚 ここも一緒におさえておこう
軽度認知障害は、認知症とどこが違うかと、この段階で何ができるかが問われる。境目はADLが自立しているかどうかで見分けよう。
- MCIの一部は認知症へ進むが、正常に戻る例もある
- 進行の予防には運動習慣・生活習慣病の管理・社会参加や知的活動が役に立つ
- 認知症の中核症状は記憶障害・見当識障害・実行機能障害・失語・失行・失認
- 行動・心理症状(BPSD)は徘徊・不穏・幻覚・妄想・抑うつなど、周囲の関わりや環境によって変わる症状
- 早期発見のためには、かかりつけ医や認知症初期集中支援チームにつなぐことが重要
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について