第109回 看護師国家試験 午前 問41 解説
📝 問題
急性期患者の生体反応で正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 急性期には代謝が異化に傾き、異化が亢進する。
手術・外傷・感染などの侵襲を受けた急性期には、生体はストレス反応として交感神経系と内分泌系を活性化させる。 組織の修復やエネルギー供給のため、体蛋白や脂肪を分解する異化が亢進し、血糖が上がって窒素バランスは負(マイナス)に傾く。 「異化が亢進する」がこれにあたる。
急性期は症状の変化が急激で、状態が短時間で悪化しうる。 防御反応としてサイトカインの分泌はむしろ増加し、コルチゾールなどの副腎皮質ホルモンの分泌も亢進する。 術後の回復の流れはムーアの分類で整理しておくとよい。
サイトカインとは
免疫にかかわる細胞が出す、細胞どうしに合図を送る物質。炎症や発熱を起こす働きがある。
- 1
異化が亢進する。正解
侵襲後は体蛋白・脂肪を分解する異化が亢進する。
- 2
症状の変化は緩やかである。不正解
急性期の症状変化は緩やかではなく急激である。
- 3
サイトカイン分泌が低下する。不正解
炎症性サイトカインの分泌は低下ではなく増加する。
- 4
副腎皮質ホルモンの分泌が低下する。不正解
副腎皮質ホルモン(コルチゾール等)の分泌は低下ではなく亢進する。
📚 ここも一緒におさえておこう
急性期の生体反応は、ホルモンの動きと術後の回復の相がまとめて問われる。どの時期に体で何が起きるかを対にして覚えよう。
- 侵襲時の血糖上昇は外科的糖尿病とよばれ、コルチゾールやカテコールアミンの作用による
- 炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-αなど)は侵襲後に増加し、発熱やCRPの上昇をもたらす
| 相 | 時期の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 第1相 傷害期(異化期) | 術後〜2〜4日 | 交感神経緊張、体温上昇、尿量減少、体蛋白の異化亢進、血糖上昇 |
| 第2相 変換期(転換期) | 術後3日〜1週 | 水・電解質バランスが正常化して利尿がつき、腸蠕動が回復する |
| 第3相 筋力回復期(同化期) | 術後1週〜数週 | 蛋白同化が進み、食欲・活動性が回復する |
| 第4相 脂肪蓄積期 | 術後数週〜数か月 | 体脂肪が蓄積し、体重がもとに戻る |
侵襲直後はADH・アルドステロン・カテコールアミン・コルチゾールの分泌が亢進し、尿量減少とナトリウム貯留・カリウム排泄が起こる。
出典:「第109回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について