第108回 看護師国家試験 午後 問96 解説
📝 問題
Aさん(58歳、男性、会社員)は、妻(55歳)と2人暮らし。右中大脳動脈領域に脳梗塞の所見が認められ、回復期リハビリテーション病棟へ転棟した。 転棟から6週が経過し、退院に向けて多職種チームでカンファレンスを開催することになった。Aさんは、外来でのリハビリテーションを継続しながら元の職場への復帰を希望している。 Aさんの退院前のカンファレンスで適切なのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ リハビリテーションチームでは、実施内容や到達度をチーム全体で評価し共有することが適切である。
回復期リハビリテーションは、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医療ソーシャルワーカーなどが協働するチーム医療である。 退院前カンファレンスでは、リハビリテーションの内容や進み具合を各職種がそれぞれの専門の目で評価し、到達度を共有して退院後の支援方針を決める。 特定の職種だけで判断せず、チームで評価するのが原則である。
他の3つは、チーム医療の原則から外れている。 チームリーダーは場面に応じて適任者が担う。 職場復帰を目指す本例では、生活を支える妻の参加が欠かせない。 目標は、本人・家族もチームの一員として加わったうえで決める。
- 1
チームリーダーの職種は医師である。不正解
チームリーダーは症例や場面に応じて適任者が担い、必ずしも医師とは限らない。
- 2
カンファレンスにAさんの妻の参加は不要である。不正解
職場復帰を目指す本例では家庭内支援の調整が重要で、妻の参加は不要ではなくむしろ望ましい。
- 3
Aさんのリハビリテーションの目標は医師が決定する。不正解
リハビリの目標は患者本人の意向を中心に多職種で決定するもので、医師が一方的に決めるものではない。
- 4
Aさんのリハビリテーションの内容はチームで評価する。正解
リハビリの内容や到達度を各職種の視点から評価・共有するのがチームアプローチの原則で、適切である。
📚 ここも一緒におさえておこう
回復期リハビリテーションは多職種が対等に専門性を発揮し、目標を共有して進める。
- 目標は患者本人の意向を中心に、多職種と本人・家族で合意して設定する
- チームリーダーは場面に応じて適任者が担い、必ずしも医師とは限らない
| 職種 | 主な役割 |
|---|---|
| 医師 | 医学的管理、リハビリテーション処方、リスク管理 |
| 看護師 | 24時間の生活の場でのADL支援、病棟でのリハビリの般化 |
| 理学療法士〈PT〉 | 基本動作(起立・歩行など)の運動療法 |
| 作業療法士〈OT〉 | 応用動作・日常生活活動、社会適応能力の訓練 |
| 言語聴覚士〈ST〉 | 言語・コミュニケーション、摂食嚥下の訓練 |
| 医療ソーシャルワーカー〈MSW〉 | 経済的問題、社会資源の調整、退院支援 |
参考: 日本リハビリテーション医学会「リハビリテーション医学・医療コアテキスト」
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について