第108回 看護師国家試験 午後 問89 解説
📝 問題
人工肛門を造設した患者へのストーマケアの指導内容で適切なのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
2・5
💡 解説
✅ ストーマケアでは、装具をはがした時に皮膚保護材の溶解の程度を観察し、装具を貼る時は腹壁のしわを伸ばすことが適切である。
装具交換時に皮膚保護材(面板)の溶解や膨潤の程度を観察すると、次回の交換時期や漏れのリスクを判断でき、皮膚障害の予防につながる。 装具を貼るときは腹壁のしわを伸ばして平らにし、面板を密着させることで排泄物の漏れを防ぐ。
他の3つは、いずれも皮膚やストーマの粘膜を傷めるおそれがある。 装具は便が漏れなくても、皮膚保護材の耐久性に応じて定期的に交換する。 面板の穴はストーマより少し大きめ(数mm程度)に切る(同じ大きさだと粘膜を傷つける)。 乾かし方は熱風ではなく自然乾燥とする。
面板とは
ストーマ装具のうち、皮膚に直接貼りつける板状の部分。皮膚保護材でできていて、便に触れる皮膚を守る。
- 1
装具の交換は便が漏れない限り不要である。不正解
装具は便が漏れなくても皮膚保護材の劣化に応じて定期的に交換する必要があり、漏れない限り不要ではない。
- 2
装具をはがした時は皮膚保護材の溶解の程度を観察する。正解
はがした面板の溶解・膨潤の程度を観察することで、交換時期の判断や皮膚障害の予防につながる。
- 3
洗浄後のストーマはドライヤーで乾かす。不正解
洗浄後はドライヤーの熱風ではなく、自然乾燥や柔らかい布で水分を押さえ拭きする。
- 4
装具の穴はストーマと同じ大きさにする。不正解
面板の穴はストーマより数mm大きめに切り、同じ大きさにすると粘膜を傷つけるため適切でない。
- 5
装具を貼る時は腹壁のしわを伸ばす。正解
貼付時に腹壁のしわを伸ばして面板を密着させることで、排泄物の漏れを防げる。
📚 ここも一緒におさえておこう
ストーマケアの指導は皮膚障害の予防が中心。 造設部位により便の性状が異なり、必要なケアも変わる。
- 面板の穴はストーマより数mm大きめに切り、粘膜を傷つけない
- 洗浄は石けんをよく泡立ててこすらずに行い、自然乾燥または押さえ拭きで水分を除く
- 装具は便漏れがなくても皮膚保護材の耐久性に応じて定期的に交換する
| 造設部位 | 便の性状 | 注意点 |
|---|---|---|
| 回腸ストーマ | 水様〜泥状 | 消化酵素を含み皮膚障害を起こしやすい。脱水にも注意 |
| 上行・横行結腸ストーマ | 泥状 | 皮膚保護が必要 |
| 下行・S状結腸ストーマ | 有形便 | 比較的管理しやすい |
参考: 医学書院「系統看護学講座 成人看護学(消化器)」/日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会 資料
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について