第108回 看護師国家試験 午後 問50 解説
📝 問題
認知症高齢者との対話で適切なのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 認知症高齢者との対話で適切なのは「表情を見せながら話す」である。
認知症高齢者とのコミュニケーションでは、言葉の理解が落ちても、表情や声のトーンなど非言語的メッセージは伝わりやすい。 正面から視線を合わせ、穏やかな表情でゆっくり話すと安心感が生まれ、意思疎通を図りやすくなる。表情を見せる関わりは、相手の注意を引き、信頼関係を築く土台になる。
他の選択肢は不適切。 横からの声かけは相手を驚かせ、視線が合わず表情も伝わりにくい。 会話の内容を覚えているか確かめる問いかけは、記憶障害を本人に突きつけ、自尊心を傷つけるため避ける。 言葉が出てこないときに思い出すまで待ち続けるのは、本人に負担と焦りを与える。
相手の尊厳を守り、非言語的な手段を使って、安心できる関わりをつくるのが認知症ケアの基本である。
- 1
表情を見せながら話す。正解
正面から穏やかな表情を見せて話すことは、安心感を与え意思疎通を助ける適切な対応である。
- 2
高齢者の横から話しかける。不正解
横からの声かけは相手を驚かせ、表情も視線も伝わりにくく不適切である。
- 3
会話の内容を記憶しているか確認する。不正解
記憶を確認するような問いかけは記憶障害を突きつけ、自尊心を傷つけるため避ける。
- 4
言葉が出てこない時は思い出すまで待ち続ける。不正解
思い出すまで待ち続けるのは負担や焦りを与えるため、適切に言葉を補い援助する。
📚 ここも一緒におさえておこう
認知症のある人とのかかわりは、記憶を補うのではなく、感情と尊厳を支えることが基本になる。
- 短く具体的な言葉で、一度に一つずつ伝える
- 間違いを否定・訂正せず、議論もしない。その人の世界に寄り添う
- 思い出せないときは選択肢を示す、言い換えるなどして助ける。待つだけにしない
- パーソン・センタード・ケア(その人らしさを中心に据える)が認知症ケアの基本理念
- 回想法やバリデーション、音楽・作業活動など、感情に働きかける非薬物的な関わりが有効
参考: 系統看護学講座 老年看護学 認知症の看護
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について