第108回 看護師国家試験 午前 問89 解説
📝 問題
出生直後の正常新生児に当てはまる特徴はどれか。2つ選べ。
✅ 正解
1・4
💡 解説
✅ 出生直後の正常新生児は生理的に多血で、Babinski反射がみられる。
出生直後の新生児は、胎内の酸素が薄い環境に適応するため赤血球数とヘモグロビン濃度が高く、生理的多血の状態にある。 また、脳から筋へ運動の指令を伝える錐体路がまだ未熟なので、足底をこすると母趾が反り返るBabinski〈バビンスキー〉反射がみられる。乳児期に陽性なのは正常である。
他の3つは、出生直後の新生児には当てはまらない。 腸内細菌叢は出生時にはまだ無く、授乳や環境を通じて出生後に少しずつ定着する。 胃の入口にあたる噴門部の括約筋は未発達で、そのため溢乳しやすい。 胎盤を通って母体から移るのはIgGだけで、分子の大きいIgMは胎盤を通れない。
錐体路とは
脳から脊髄へ運動の指令を伝える神経の通り道。新生児では未熟なため、足底をこすると母趾が反り返る。
溢乳とは
飲んだ乳が口からたらたらと流れ出ること。新生児は胃の入口の締まりが弱いために起こりやすく、病気ではない。
- 1
生理的に多血である。正解
胎内の酸素が薄い環境に適応して赤血球が増えており、出生直後は生理的に多血である。
- 2
腸内細菌叢が定着している。不正解
腸内細菌叢は出生時には定着しておらず出生後に確立する。
- 3
噴門部の括約筋は発達している。不正解
噴門部の括約筋は未発達で溢乳しやすい。
- 4
Babinski〈バビンスキー〉反射がみられる。正解
錐体路が未熟なため、足底刺激で母趾が反り返るBabinski反射がみられる。新生児では陽性が正常である。
- 5
胎盤を通じて母体からIgMが移行している。不正解
胎盤を通じて移行するのはIgGでありIgMは通過しない。
📚 混同しやすいので注意
免疫グロブリンは、IgG・IgA・IgMのどれがどこで働くかを入れ替えて問われる。 「どこから来て、どこを守るか」を対にして覚えよう。 胎盤を通って児に移るのはIgG、母乳(特に初乳)に多く含まれて腸管を守るのはIgA、胎盤を通れず児が自分でつくり始めるのがIgMである。
- 生理的体重減少は出生後3〜5日で最大となり、出生体重の5〜10%程度にとどまる
- 新生児は噴門部の括約筋が未熟で胃が水平に近いため、溢乳しやすい
| 反射 | 誘発のしかた | 消失の目安 |
|---|---|---|
| Moro反射 | 頭部を急に落とすなどして驚かせる | 生後4〜6か月 |
| 把握反射(手掌) | 手掌を指で圧迫する | 生後3〜4か月 |
| 吸啜反射・探索反射 | 口唇や口の周囲を刺激する | 生後4〜6か月 |
| 非対称性緊張性頸反射 | 仰臥位で頭部を一側に向ける | 生後4〜6か月 |
| 自動歩行 | 足底を床につけて体を前傾させる | 生後2か月ごろ |
| Babinski反射 | 足底の外側をこする(母趾が背屈する) | 生後12〜24か月ごろ |
乳児期にみられるのは正常。成人で陽性なら錐体路障害を疑う。
参考: 小児看護学・新生児生理に関する標準的教科書
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について