第108回 看護師国家試験 午前 問8 解説
📝 問題
母乳中に含まれている免疫グロブリンで最も多いのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 母乳中に最も多く含まれる免疫グロブリンはIgAである。
母乳、とくに初乳には分泌型IgAが多く含まれる。分泌型IgAは乳児の腸の粘膜表面をおおい、病原体がくっつくのを防いで消化管の感染から児を守る。 新生児は自分でIgAを作る力がまだ弱いため、母乳から受け取るIgAが感染防御の要になる。
他の3つは母乳中で最も多いものではない。IgGは唯一胎盤を通り抜けて胎児へ移り、IgEはⅠ型アレルギーに関わり、IgMは感染の初期に最も早く作られる。
- 1
IgA正解
母乳(特に初乳)には分泌型IgAが最も多く含まれ、乳児の腸管の局所免疫を担う。
- 2
IgE不正解
IgEはⅠ型アレルギーに関与する免疫グロブリンで、母乳中の主成分ではない。
- 3
IgG不正解
IgGは胎盤を通過して胎児へ移行するが、母乳中で最多ではない。
- 4
IgM不正解
IgMは感染初期に最初に産生されるが、母乳中で最多ではない。
📚 混同しやすいので注意
免疫グロブリンは、クラスと役割を入れ替えて問われる。「母乳=IgA」「胎盤通過=IgG」「感染初期=IgM」「アレルギー=IgE」と1組にして覚えよう。
- 母体由来のIgGが減る生後3〜6か月ころから乳児は感染しやすくなる。
- 初乳は分娩後数日間に分泌され、成乳より蛋白質と免疫グロブリンに富む。
- 母乳栄養は感染防御のほか、母子相互作用や経済性の面でも利点がある。
| クラス | 特徴 |
|---|---|
| IgG | 血清中で最も多い。唯一胎盤を通過し、新生児を感染から守る |
| IgA | 分泌型として母乳(特に初乳)・唾液・涙・腸液に多く、粘膜局所免疫を担う |
| IgM | 分子量が最大。感染初期に最初に産生される。胎児自身が産生するため臍帯血の高値は子宮内感染を示唆 |
| IgE | Ⅰ型(即時型)アレルギー、寄生虫感染に関与 |
| IgD | B細胞表面に存在。機能は十分に解明されていない |
参考: 標準的な免疫学・母性看護学教科書
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について