第108回 看護師国家試験 午前 問71 解説

一般老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

Aさん(74歳、女性)は、1人暮らし。要介護1、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱa。頻尿のため、自室からトイレへの移動中に廊下で失禁することが頻繁にある。1日3食の高齢者向け配食サービスを利用している。 現時点でのAさんの日常生活で最も起こりやすいのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 頻尿でトイレへ急ぐ移動と軽い認知機能低下から、最も起こりやすいのは転倒である。

Aさんは、頻尿のためトイレへ急ぐ途中に、廊下で失禁することが頻繁にある。 急いで移動すること、認知症自立度Ⅱaの軽い認知機能低下、1人暮らしで近くに見守る人がいないことが重なり、廊下での転倒が最も起こりやすい。

他の3つは、事例に手がかりがない。 窒息を疑う嚥下障害やむせの記載はない。 熱傷につながる火の取り扱いの記載もなく、食事は配食サービスを利用している。 徘徊は、自立度Ⅱaの段階で必ず起こるものではない。

  • 1

    窒息不正解

    窒息を示唆する嚥下障害等の情報がなく、最も起こりやすいとはいえない。

  • 2

    転倒正解

    頻尿による急ぎの移動と軽い認知機能低下から、廊下での転倒が最も起こりやすい。

  • 3

    熱傷不正解

    火気を扱う具体的状況が示されておらず、熱傷が最も起こりやすいとはいえない。

  • 4

    徘徊不正解

    自立度Ⅱaでは徘徊が中核リスクとまではいえず、本事例で最も起こりやすいとはいえない。

📚 ここも一緒におさえておこう

転倒は、本人側の理由と環境側の理由が重なって起こる。事例では、その両方がそろっていないかを探そう。 認知症高齢者の日常生活自立度は、ランクの意味を入れ替えて問われる。

  • 転倒の内的因子=筋力低下、視力低下、認知機能低下、頻尿や失禁、薬剤
  • 転倒の外的因子=段差、照明、履物、コード類
認知症高齢者の日常生活自立度判定基準
ランク状態の目安
Ⅰ何らかの認知症状はあるが、日常生活は家庭内・社会的にほぼ自立している
Ⅱ日常生活に支障を来す症状・行動や意思疎通の困難が多少みられても、誰かが注意していれば自立できる(Ⅱa=家庭外でみられる、Ⅱb=家庭内でもみられる)
Ⅲ同様の症状がときどきみられ、介護を必要とする(Ⅲa=日中中心、Ⅲb=夜間中心)
Ⅳ同様の症状が頻繁にみられ、常に介護を必要とする
M著しい精神症状や問題行動、あるいは重篤な身体疾患がみられ、専門医療を必要とする

参考: 老年看護学における転倒予防・認知症ケアの標準的知見

出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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