第108回 看護師国家試験 午前 問44 解説
📝 問題
作業と健康障害の組合せで正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 電離放射線を扱う作業では被曝により造血機能障害(白血球減少や貧血)が起こるため、この組合せが正しい。
電離放射線は分裂の盛んな細胞を傷つけやすく、血液をつくる骨髄がその影響を受ける。 その結果として造血機能障害(白血球や血小板の減少、貧血)が起こるため、この組合せが正しい。
他の選択肢は、作業と健康障害の対応がずれている。 VDT作業(現在は情報機器作業とよばれる)で起こるのは眼精疲労や頸肩腕症候群で、栄養機能障害ではない。 有機溶剤は中枢神経障害や肝障害を主に起こす。 石綿(アスベスト)は中皮腫や肺癌など呼吸器の病気を起こし、排尿機能障害ではない。
VDT〈ブイディーティー〉とは
パソコンなどの画面を見ながら行う作業を指す言い方。現在は情報機器作業とよばれる。
- 1
VDT作業 ─── 栄養機能障害不正解
VDT作業は眼精疲労や頸肩腕症候群を生じ、栄養機能障害とは結びつかない。
- 2
有機溶剤を扱う作業 ─── 呼吸機能障害不正解
有機溶剤は主に中枢神経障害や肝障害を起こし、呼吸機能障害を代表とはしない。
- 3
電離放射線を扱う作業 ─── 造血機能障害正解
電離放射線は骨髄を障害し、白血球減少や貧血などの造血機能障害を起こす。
- 4
石綿〈アスベスト〉を扱う作業 ─── 排尿機能障害不正解
石綿は中皮腫や肺癌など呼吸器障害を起こし、排尿機能障害とは結びつかない。
📚 国試でよく狙われるところ
職業性疾病は、有害要因と健康障害を入れ替えて問われる。「何を扱うと、どこが傷むか」を対にして覚えよう。
- 有害業務の従事者には特殊健康診断が義務づけられている(労働安全衛生法)。
- じん肺はじん肺法に基づき、じん肺健康診断と管理区分の決定が行われる。
- 石綿による中皮腫・肺癌は潜伏期が数十年と長く、退職後の発症もあるため長期の健康管理が必要である。
| 有害要因 | 主な健康障害 |
|---|---|
| 電離放射線 | 造血機能障害(白血球減少)、皮膚障害、白内障、発がん |
| 石綿〈アスベスト〉 | 石綿肺、肺癌、悪性中皮腫(潜伏期20〜40年) |
| 有機溶剤 | 中枢神経抑制(頭痛・めまい)、肝障害、末梢神経障害、皮膚炎 |
| 鉛 | 貧血、腹部疝痛、伸筋麻痺(下垂手) |
| 振動工具 | 白ろう病(レイノー現象)、末梢神経・運動器障害 |
| 高温環境 | 熱中症 |
| 高圧・潜水作業 | 減圧症(潜函病) |
| 騒音 | 騒音性難聴(4,000Hz付近から低下) |
| 粉じん | じん肺 |
| 情報機器(VDT)作業 | 眼精疲労、頸肩腕症候群、精神的ストレス |
参考: 標準公衆衛生・社会医学(職業性疾病)/電離放射線障害防止規則
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について