第108回 看護師国家試験 午前 問37 解説
📝 問題
静脈血採血時に使用する器具の取り扱いで適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 針専用の廃棄容器は実施者の手の届く範囲に置き、抜針したその場で廃棄できるようにするのが適切である。
静脈血採血では、針刺しによる血液媒介感染を防ぐことが最優先になる。 耐貫通性の針専用容器を実施者の手の届く範囲に置けば、抜針した針を持ち歩かずにその場で捨てられ、リキャップによる受傷を避けられる。
他の選択肢は、いずれも針刺しや血液曝露の危険を高める。 真空採血管でも血液に触れる可能性があるため、素手ではなく手袋を着けて行う。 抜針した針にキャップを戻す動作(リキャップ)は、針刺しの代表的な原因である。 容器は満杯になってからでは針が飛び出して危ないので、8割程度で交換する。
- 1
真空採血管で採血する場合は素手で行う。不正解
血液曝露を防ぐため手袋を着用すべきであり、素手で行うのは不適切である。
- 2
抜針した採血針はキャップをして破棄する。不正解
リキャップは針刺しの原因となるため禁止であり、抜針した針はキャップをせずにそのまま専用容器へ捨てる。
- 3
針専用の廃棄容器は実施者の手の届く範囲に置く。正解
廃棄容器を手の届く範囲に置くと、抜針後すぐに安全に廃棄でき、針刺しを防げる。
- 4
針専用の廃棄容器は廃棄物が投入口まで達したら交換する。不正解
投入口まで達してからでは針が突出し受傷の危険があり、おおむね8割で交換する。
📚 ここも一緒におさえておこう
針刺し・切創は、血液媒介感染(HBV・HCV・HIV)の主な経路である。 病原体ごとに感染率と曝露後の対応が入れ替えて問われるので、3つを対にして覚えよう。
- 受傷したらまず流水と石けんで洗い流し、直ちに報告して指示を受ける。
- リキャップは禁止。やむを得ない場合は片手ですくう方法(すくい上げ法)をとる。
- 医療者はあらかじめHBVワクチンを接種し、抗体を獲得しておく。
| 病原体 | 針刺し1回あたりの感染率の目安 | 主な曝露後対応 |
|---|---|---|
| B型肝炎ウイルス〈HBV〉 | 約30%(HBe抗原陽性血) | 抗HBsヒト免疫グロブリン〈HBIG〉とHBVワクチン |
| C型肝炎ウイルス〈HCV〉 | 約3% | 定期的な検査による経過観察(有効な予防薬はない) |
| ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉 | 約0.3% | できるだけ速やかに抗HIV薬の予防内服を開始 |
参考: 標準予防策(スタンダードプリコーション)/医療廃棄物の取扱い(耐貫通性容器・リキャップ禁止)
出典:「第108回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について