第107回 看護師国家試験 午後 問54 解説
📝 問題
乳児への散剤の与薬について、親に指導する内容で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 乳児への散剤は、少量の水に溶かして飲ませるよう指導する。
乳児に散剤(粉薬)を与えるときは、少量の水(またはぬるま湯)に溶かし、スポイトやスプーンで飲ませる。 少量の水で練ってペースト状にし頬の内側に塗る方法もある。 少量の水に溶かすと必要量を確実に飲ませやすく、味の調整もできる。
他の3つは避ける。ミルクに混ぜると、飲みきれなかったときに必要量が入らず、ミルク嫌いにつながる。 はちみつは乳児ボツリヌス症の危険があり、1歳未満には絶対に与えてはならない。 粉のまま口に含ませると、むせや誤嚥の危険がある。 乳児の与薬では、確実性・安全性・誤嚥の防止の3つが問われる。
乳児ボツリヌス症とは
はちみつなどに含まれるボツリヌス菌の芽胞が腸で増え、毒素を出して起こる病気。腸内環境が未熟な1歳未満で起こり、便秘・哺乳力の低下・脱力がみられる。
- 1
ミルクに混ぜる。不正解
ミルクに混ぜると飲み残しで必要量が服用できず、ミルク嫌いを招く恐れがあるため避ける。
- 2
はちみつに混ぜる。不正解
はちみつは1歳未満で乳児ボツリヌス症を起こす危険があり、絶対に与えてはならない。
- 3
少量の水に溶かす。正解
少量の水に溶かして与えると確実に服用させやすく、乳児への散剤与薬として適切である。
- 4
そのまま口に含ませる。不正解
散剤をそのまま口に含ませると、むせや誤嚥を起こしやすく、口の中にも残る。
📚 国試でよく狙われるところ
小児の与薬は「必要量が確実に入ること」と「安全であること」の両立が問われる。主食に混ぜないことと、はちみつの禁忌をセットで覚えよう。
- はちみつは1歳未満に与えない(乳児ボツリヌス症の危険)。黒糖・コーンシロップにも注意する
- ミルクや重湯などの主食に混ぜない。飲み残しで必要量が入らず、ミルク嫌いの原因になる
- 散剤は少量の水やぬるま湯に溶かす、または少量の水で練って頬の内側や上顎に塗り、そのあと水分を与える
- 内服後は白湯を飲ませて口腔内に薬が残らないようにする
- 一部の抗菌薬(マクロライド系など)のドライシロップは酸性の飲料(ジュース・スポーツドリンク)と混ぜると苦味が強くなることがある
- 小児の与薬量は体重・体表面積から算出し、指示量・体重・単位を複数人でダブルチェックする
参考: 小児看護学 標準テキスト/厚生労働省 乳児ボツリヌス症関連資料
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について