第107回 看護師国家試験 午後 問47 解説
📝 問題
緑内障と診断された患者への説明で適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 緑内障は自覚症状がなくても進行しやすい、と説明するのが適切である。
緑内障は、眼圧の上昇などにより視神経が障害され、視野が少しずつ欠けていく病気である。 多くは慢性に進み、初期は自覚症状がほとんどないため、視野が欠けてから気づくことが多い。 いったん障害された視神経と視野は元に戻らない。 早期に見つけて眼圧を下げる治療を続け、進行を抑えることが目標になる。
他の選択肢は、病気の理解や対応が誤っている。 治療の目的は進行を抑えることであって、視野を戻すことではない。 水晶体の代謝が低下して起こるのは白内障である。 眼瞼をマッサージしても眼圧は下がらない。
- 1
「治療すれば視野障害は改善します」不正解
緑内障で障害された視野は改善せず、治療は進行を抑えることが目的になる。
- 2
「水晶体の代謝が低下して起こる病気です」不正解
水晶体の代謝が低下して混濁するのは白内障で、緑内障とは別の病気である。
- 3
「自覚症状がなくても進行しやすい病気です」正解
緑内障は初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行しやすいため、この説明が適切である。
- 4
「眼瞼のマッサージが眼圧降下に効果的です」不正解
眼圧を下げるには点眼薬などの治療が必要で、眼瞼のマッサージで眼圧が下がるという医学的根拠はない。
📚 混同しやすいので注意
緑内障と白内障は、病態と治療を入れ替えて問われる。「戻らない緑内障・戻せる白内障」と対にして覚えよう。
- 日本人では眼圧が正常範囲の正常眼圧緑内障が多く、眼底(視神経乳頭)と視野検査による早期発見が重要である
- 急性緑内障発作は眼痛・頭痛・悪心嘔吐・充血・視力低下をきたす、眼科の緊急事態である
- 閉塞隅角緑内障では抗コリン薬(散瞳薬)・抗ヒスタミン薬・一部の抗うつ薬が禁忌になる
- β遮断薬の点眼は気管支喘息・徐脈・心不全に注意する。点眼後は涙嚢部を圧迫して全身への吸収を減らす
- 複数の点眼薬を使うときは5分以上間隔をあける
| 項目 | 緑内障 | 白内障 |
|---|---|---|
| 病態 | 眼圧上昇などによる視神経の障害 | 水晶体の混濁 |
| 主な症状 | 視野の欠損(慢性では自覚に乏しい) | 霧視、羞明、視力低下 |
| 可逆性 | 不可逆。進行を抑えることが目標 | 手術(眼内レンズ挿入)で視力が改善する |
| 主な治療 | 眼圧下降薬の点眼、レーザー、手術 | 超音波水晶体乳化吸引術+眼内レンズ挿入 |
参考: 日本緑内障学会 緑内障診療ガイドライン
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について