第107回 看護師国家試験 午後 問45 解説
📝 問題
造影CTの際に最も注意が必要なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 造影CTで最も注意が必要なのは、気管支喘息の既往がある患者である。
造影CTでは主にヨード造影剤を使う。 ヨード造影剤はアナフィラキシーなどの重い過敏反応を起こすことがあり、気管支喘息の既往がある人は発症のリスクが高い。 喘息の既往は造影剤の副作用の重要な危険因子で、問診で必ず確認する。
他の選択肢は、造影CTではなく別の検査で問題になる。 閉所への恐怖は、狭い装置に長く入るMRIで問題になりやすい。 ペースメーカーも、磁場の影響を受けるMRIで注意する。 上部消化管造影で使う硫酸バリウムは、ヨード造影剤とは別の薬剤である。
- 1
閉所に対する恐怖がある患者不正解
閉所恐怖は狭い空間に入るMRIで問題となりやすく、造影CTで最も注意すべき点ではない。
- 2
気管支喘息の既往がある患者正解
気管支喘息の既往はヨード造影剤によるアナフィラキシーの重要な危険因子であり、最も注意が必要である。
- 3
ペースメーカーを装着している患者不正解
ペースメーカーはMRIで磁場の影響に注意を要するもので、造影CTの造影剤とは別の問題である。
- 4
既往に上部消化管造影検査後の腹痛がある患者不正解
上部消化管造影で用いるバリウムはヨード造影剤とは異なり、造影CTでの最重要注意点ではない。
📚 混同しやすいので注意
造影検査は、検査と造影剤の組合せを入れ替えて問われる。「使う薬剤が何か」で注意点が決まるので、薬剤と注意点を対にして覚えよう。
- メトホルミンなどのビグアナイド系薬は、ヨード造影剤で乳酸アシドーシスを起こす危険があり、検査の前後で一時休薬する
- 造影剤腎症を防ぐため、検査の前後に輸液を行い、腎機能(eGFR・血清クレアチニン)を確認する
- 副作用は即時性(悪心・蕁麻疹〜アナフィラキシーショック)と遅発性(数時間〜数日後の発疹)に分かれる
- 検査後は水分摂取を促し、造影剤の排泄を助ける
| 検査 | 造影剤 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 造影CT | ヨード造影剤 | ヨード過敏症・気管支喘息・重篤な腎障害、ビグアナイド系薬の休薬 |
| MRI | ガドリニウム造影剤 | 体内金属・ペースメーカ(非対応機種)、閉所恐怖、重度腎障害では腎性全身性線維症 |
| 上部消化管造影 | 硫酸バリウム | 消化管穿孔・閉塞の疑いでは禁忌。検査後は下剤と水分でバリウムを排出 |
参考: 日本医学放射線学会 造影剤使用関連指針
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について