第107回 看護師国家試験 午後 問43 解説
📝 問題
インスリン製剤について正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ インスリン製剤は、飛行機に搭乗する際は手荷物として機内に持ち込む。
インスリンは蛋白質(ペプチドホルモン)で、凍ると変性して効き目を失う。 飛行機の貨物室は氷点下になることがあり、預け荷物では紛失や、必要なときにすぐ使えない心配もある。 そのため、機内に手荷物として持ち込む。
他の選択肢は、いずれもインスリンの扱い方として誤っている。 蛋白質なので、飲むと消化されて効かない。皮下注射で投与する。 冷凍庫で保存すると凍って変性するため、未使用のものは冷蔵で保存する。 同じ場所に打ち続けると皮下がかたくなり、吸収が不安定になるので、注射部位は少しずつずらす。
皮下硬結とは
同じ場所に注射を続けて、皮下がかたく盛り上がった状態。ここに打つとインスリンの吸収が不安定になる。
- 1
経口投与が可能である。不正解
インスリンは蛋白質で経口では消化・分解されるため経口投与はできず、皮下注射で投与する。
- 2
冷凍庫で長期保存できる。不正解
凍結すると変性し効力を失うため、冷凍庫での保存はできない(未使用品は2〜8℃の冷蔵保存)。
- 3
皮下注射は同じ部位に行う。不正解
同一部位への反復注射は皮下硬結を招き吸収が不安定になるため、注射部位はローテーションする。
- 4
飛行機に搭乗する際は手荷物として持ち込む。正解
貨物室での凍結や紛失を避けるため、飛行機では手荷物として機内に持ち込む。
📚 国試でよく狙われるところ
インスリンの自己管理指導は、製剤の種類(作用時間)・保存方法・注射手技・低血糖対応・シックデイの5点が問われる。この5つを1組にして覚えよう。
- 未使用品は2〜8℃で冷蔵保存し、凍結させない。使用中のものは室温保存でよい
- 注射部位は腹壁で吸収が安定する。同一部位への反復は皮下硬結を招くため、2〜3cmずつずらす
- 低血糖症状は発汗・動悸・手指振戦・空腹感→意識障害。意識があればブドウ糖10g(またはジュース)、意識がなければブドウ糖の静脈内投与
- α-グルコシダーゼ阻害薬を併用している場合の低血糖には、砂糖ではなくブドウ糖を用いる
- シックデイでも自己判断でインスリンを中止せず、水分と炭水化物を摂り血糖を頻回に測定して医療機関に相談する
| 分類 | 注射のタイミング・特徴 |
|---|---|
| 超速効型 | 食直前に注射。作用発現が速く持続は短い |
| 速効型(レギュラー) | 食前30分に注射。静脈内投与ができる唯一の製剤 |
| 中間型 | 作用発現・持続がゆるやか。混濁製剤で使用前に十分に混和する |
| 持効型溶解 | 明らかなピークがなく約1日持続。基礎分泌を補う |
| 混合型 | 超速効型/速効型と中間型をあらかじめ混合したもの |
参考: 日本糖尿病学会 糖尿病治療関連ガイド
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について