第107回 看護師国家試験 午後 問36 解説
📝 問題
感染症の成立過程において、予防接種が影響を与える要素はどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ 予防接種が影響を与えるのは、宿主の感受性である。
感染成立には、①感染源(病原体を排出する源)、②感染経路(病原体が宿主に伝播する経路)、③宿主の感受性(病原体を受け入れて発症しうる宿主側の条件)の3要素が揃うことが必要である。予防接種はワクチンにより宿主に免疫を付与し、感受性を低下させる(抵抗力を高める)ことで感染成立を防ぐ。 影響を与える要素は「宿主の感受性」である。
感染対策は3要素のいずれかを断つことが原則で、消毒・滅菌は病原体(感染源)対策、隔離・手指衛生・マスクは感染経路対策、予防接種は感受性宿主対策にあたる。この対応関係は国試頻出であり、各対策がどの要素に働きかけるかを整理して覚えるとよい。 出題当時は四種混合〈DPT-IPV〉とHibワクチンは別々だったが、2024年4月から五種混合〈DPT-IPV-Hib〉が定期接種になっている。
- 1
病原体不正解
病原体そのものを直接減らすのは消毒・滅菌などであり、予防接種は病原体を除去するものではない。
- 2
感染源不正解
感染源への対策は病原体の排除・隔離などで、予防接種が直接働きかける要素ではない。
- 3
感染経路不正解
感染経路対策は手指衛生・マスク・環境整備などで、予防接種とは別の要素である。
- 4
宿主の感受性正解
予防接種は宿主に免疫を与えて感受性を低下させるため、宿主の感受性に影響を与える。
📚 ここも一緒におさえておこう
感染成立の3要素のどれを断つかで対策が決まる。 予防接種は宿主側(感受性)に働きかける代表的な対策である。
- 予防接種法のA類疾病は主に集団予防が目的で努力義務があり、費用は原則公費(麻しん・風しん・ポリオ・BCGなど)
- B類疾病は個人の発病・重症化予防が目的で努力義務はない(高齢者のインフルエンザ・肺炎球菌)
- 感染源対策=消毒・滅菌・隔離、感染経路対策=手指衛生・マスク・環境整備、感受性宿主対策=予防接種・栄養状態の改善
- 生ワクチンは妊婦に禁忌、免疫抑制状態の人にも原則禁忌
| 種類 | 代表的なワクチン |
|---|---|
| 生ワクチン | BCG、麻しん風しん混合〈MR〉、水痘、おたふくかぜ、ロタウイルス |
| 不活化ワクチン | 五種混合〈DPT-IPV-Hib〉、日本脳炎、B型肝炎、小児用肺炎球菌、インフルエンザ、HPV |
| トキソイド | ジフテリア、破傷風 |
参考: 厚生労働省 感染症対策関連資料
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について