第107回 看護師国家試験 午後 問29 解説
📝 問題
薬剤とその副作用〈有害事象〉の組合せで正しいのはどれか。
✅ 正解
4
💡 解説
✅ スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)の重大な副作用は横紋筋融解症である。
スタチンはコレステロール合成を抑制する脂質異常症治療薬で、重大な副作用として横紋筋融解症が知られる。 筋肉痛・脱力・褐色尿などを呈し、腎障害に至ることもあるため注意を要する。 フィブラート系薬との併用でリスクが高まる点も重要である。
国試では薬剤と副作用の組合せが頻出である。 副腎皮質ステロイド=高血糖(低血糖ではない)、ニューキノロン=痙攣など、アミノグリコシド=聴器・腎毒性、スタチン=横紋筋融解症、という代表的対応を整理して覚えておく。
フィブラート系薬とは
中性脂肪を下げるタイプの脂質異常症の薬。コレステロールを下げるスタチンとは働きが違う。
- 1
副腎皮質ステロイド -- 低血糖不正解
副腎皮質ステロイドは血糖を上昇させ、高血糖を招く。
- 2
ニューキノロン系抗菌薬 -- 髄膜炎不正解
ニューキノロン系抗菌薬では痙攣などの中枢症状が起こることがある。
- 3
アミノグリコシド系抗菌薬 -- 視神経障害不正解
アミノグリコシド系抗菌薬は聴器毒性(難聴)・腎毒性が代表的である。
- 4
スタチン〈HMG-CoA還元酵素阻害薬〉 -- 横紋筋融解症正解
スタチンの重大な副作用は横紋筋融解症である。
📚 国試でよく狙われるところ
薬剤と副作用の組合せは頻出。 「どの臓器に出るか」で整理すると覚えやすい。
- 横紋筋融解症ではCK上昇とミオグロビン尿(褐色尿)がみられ、急性腎障害に進むことがあるため十分な補液を行う
- 筋肉痛・脱力・褐色尿を自覚したら速やかに受診するよう患者に指導する
| 薬剤 | 代表的な副作用 |
|---|---|
| 副腎皮質ステロイド | 高血糖、易感染、骨粗鬆症、消化性潰瘍、満月様顔貌、精神症状、副腎不全(急な中止) |
| アミノグリコシド系抗菌薬 | 第VIII脳神経障害(難聴・めまい)、腎障害 |
| ニューキノロン系抗菌薬 | 痙攣(非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉併用で増強)、光線過敏、腱障害 |
| バンコマイシン | レッドマン症候群(急速投与)、腎障害、聴器毒性 |
| スタチン | 横紋筋融解症、肝障害 |
| シスプラチン | 腎障害、強い悪心・嘔吐、聴器毒性 |
| ドキソルビシン | 心毒性(心筋障害) |
| ブレオマイシン | 間質性肺炎・肺線維症 |
| ビンクリスチン | 末梢神経障害、便秘・イレウス |
参考: 医学書院『系統看護学講座』(脂質異常症治療薬の副作用)
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について