第107回 看護師国家試験 午後 問113 解説

状況設定在宅看護論✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み112〜114の問いに答えよ。 A さん(76歳、女性)。パーキンソン病、ホーエン・ヤールステージⅢ、要介護1。 A さんと夫は、2週後に日誌を持って受診した。レボドパ〈L-dopa〉の処方が1日4回に増量されることになり、病状管理と療養指導のため A さんは週1回の訪問看護を利用することになった。薬剤が増量されてから1週が経過し、足がすくむことが少なくなった。A さんから「足がすくむようになってから浴槽に入るのをやめていたけれど、入浴しても大丈夫でしょうか」と訪問看護師に相談があった。 A さんに指導する内容で最も適切なのはどれか。

✅ 正解

1

💡 解説

✅ パーキンソン病の入浴指導では、レボドパが効いている(オンの)時間帯に入浴するよう勧めることが最も適切である。

パーキンソン病では、服薬後に薬が効いている「オン」の時間帯はすくみ・無動が軽くなり、動作が円滑になる。 増量で足のすくみが減ったAさんが入浴を再開するなら、転倒を避けるためレボドパが効いている時間帯を選ぶよう伝える。 自宅の浴槽に入り続けられ、「自分で入浴したい」という本人の思いにも沿う。

他の3つは、まだ自分で入浴できるAさんには早い。通所介護や訪問入浴介護は自力での入浴が難しくなってから検討するサービスで、シャワー浴に替えると温まる楽しみを手放すことになる。

  • 1

    「レボドパが効いている時間に入浴しましょう」正解

    レボドパが効いている時間帯は動作が円滑で転倒しにくく、安全に浴槽入浴を続けられるため最も適切。

  • 2

    「通所介護の入浴を利用しましょう」不正解

    通所介護の入浴は自力入浴が困難な場合の選択肢で、Aさんはオンの時間帯なら自宅の浴槽に入れる。

  • 3

    「訪問入浴介護を利用しましょう」不正解

    訪問入浴介護は、入浴に全介助を要する重度の人が対象のサービスである。

  • 4

    「シャワー浴にしましょう」不正解

    シャワー浴への変更は入浴の楽しみや温熱効果を手放すことになる。Aさんはまだ浴槽に入れる状態である。

📚 ここも一緒におさえておこう

パーキンソン病の在宅支援は、薬が効いている時間に合わせて動くことと転倒を防ぐことが柱になる。あわせて自律神経症状と嚥下障害への備えも押さえよう。

  • すくみ足には床の目印線をまたぐ・かけ声やリズムをとる・メトロノームなど視覚・聴覚の合図が有効
  • 方向転換や狭い場所、動作の開始時にすくみが起こりやすいため、手すり・動線の確保を行う
  • レボドパは高蛋白食と同時に摂ると吸収が低下するため、服薬と食事のタイミングに配慮する
  • 便秘・起立性低血圧が起こりやすく、急に立ち上がらないよう指導する
  • 嚥下障害が進むと誤嚥性肺炎の危険が高まるため、食事形態と姿勢を調整する

参考: 日本神経学会「パーキンソン病診療ガイドライン」

出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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