第107回 看護師国家試験 午前 問75 解説
📝 問題
Ménière(メニエール)病の患者への指導内容について正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ Ménière病の患者には静かな環境を保持するよう指導する。
Ménière病は内リンパ水腫を病態とし、回転性めまい・難聴・耳鳴・耳閉感の反復を特徴とする。 ストレスや過労、騒音などが発作の誘因となるため、静かで落ち着いた環境を保ち、心身の安静とストレス軽減を図ることが指導の基本となる。
発作時は強い回転性めまいと嘔吐を伴うため、体動や視覚刺激を避け、暗く静かな環境で安楽な体位を保つ。 頭を動かさず側臥位にし、嘔吐があるときは誤嚥予防に顔を横に向ける。 生活面では塩分・水分やカフェインの制限と規則正しい生活を指導する。
内リンパ水腫とは
内耳を満たすリンパ液が増えすぎて、内耳の袋がふくらんだ状態。めまいや難聴が起こる。
- 1
静かな環境を保持する。正解
騒音やストレスは発作の誘因となるため、静かな環境を保持するよう指導する。
- 2
発作時は部屋を明るくする。不正解
発作時は光刺激でめまいが増悪しうるため、部屋は明るくせず薄暗く静かに保つのが望ましい。
- 3
めまいがあるときは一点を凝視する。不正解
一点を凝視するとめまいが増強しやすく、視覚刺激を避けて安静にする方がよい。
- 4
嘔吐を伴う場合は仰臥位安静にする。不正解
嘔吐を伴う場合は、誤嚥防止のため顔を横に向けるなどの配慮が必要である。
- 5
耳鳴があるときは周囲の音を遮断する。不正解
耳鳴があっても周囲の音を無理に遮断する必要はなく、静かな環境保持が基本である。
📚 混同しやすいので注意
めまいをきたす疾患は、めまいの性状と持続時間、聴覚症状の有無で見分ける。 Ménière病の治療は浸透圧利尿薬(イソソルビド)などによる内リンパ水腫の軽減が中心で、生活面ではストレス・過労・睡眠不足の回避が重要である。
| 疾患 | めまいの性状と持続 | 聴覚症状 |
|---|---|---|
| Ménière病 | 回転性、数十分〜数時間、反復する | 難聴・耳鳴・耳閉感を伴い、変動する |
| 良性発作性頭位めまい症(BPPV) | 頭位変換で誘発、数十秒〜1分程度 | なし |
| 前庭神経炎 | 強い回転性、数日持続 | なし |
| 突発性難聴 | めまいを伴うことがある | 急激な一側性難聴(反復しない) |
| 椎骨脳底動脈循環不全 | 浮動性・回転性 | 構音障害・複視などの神経症状を伴うことがある |
参考: 医学書院「系統看護学講座 成人看護学(感覚器)」
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について