第107回 看護師国家試験 午前 問60 解説
📝 問題
養護者による虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者が、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)に基づき通報する先として正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 高齢者虐待防止法に基づき、養護者による虐待を発見した者の通報先は市町村である。
高齢者虐待防止法では、養護者による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、速やかに市町村へ通報するよう努めると定められている(生命・身体に重大な危険がある場合は通報義務)。 通報を受けた市町村は、事実確認や高齢者の保護、養護者への支援などを行う。
他の選択肢は、法が定める通報先ではない。警察署は緊急時に連携する相手、消防署は救急や防災を担う機関であり、訪問看護事業所は虐待に気づく側にあたる。いずれの場合も通報先は市町村である。
養護者とは
高齢者を現に世話している家族・親族・同居人など。施設や事業所の職員(養介護施設従事者等)とは区別される。
- 1
市町村正解
高齢者虐待防止法は、養護者による虐待の通報先を市町村と定めている。
- 2
警察署不正解
警察署は緊急時に連携する相手で、法が定める通報先は市町村である。
- 3
消防署不正解
消防署は救急や防災を担う機関で、高齢者虐待の通報先は法により市町村と定められている。
- 4
訪問看護事業所不正解
訪問看護事業所は虐待に気づく立場にあり、気づいたときの通報先は市町村である。
📚 国試でよく狙われるところ
虐待防止法は、法律ごとの通報先と虐待の類型を入れ替えて問われる。誰が対象か・どこへ通報するか・通報後に市町村が何をするかを一続きで覚え、高齢者虐待の実態と権利擁護のしくみもあわせて押さえよう。 いずれの虐待防止法でも、生命・身体に重大な危険がある場合の通報(通告)は義務で、それ以外は努力義務とされる。 通報は守秘義務違反にあたらず、通報者を特定させる情報を漏らしてはならない。
- 高齢者虐待の種類=身体的・心理的・性的虐待、介護等放棄(ネグレクト)、経済的虐待の5類型。児童虐待には経済的虐待の類型がなく4類型である。
- 養護者による高齢者虐待では身体的虐待の割合が高く、虐待者は同居する家族(息子・夫・娘など)であることが多い。
- 通報を受けた市町村は事実確認を行い、立入調査ややむを得ない事由による措置(分離保護)、養護者への支援を行う。
- 判断能力が低下した高齢者の権利擁護には成年後見制度や日常生活自立支援事業がある。
| 法律 | 対象 | 通報・通告先 |
|---|---|---|
| 高齢者虐待防止法 | 65歳以上の高齢者 | 市町村 |
| 障害者虐待防止法 | 障害者 | 市町村(使用者による虐待は市町村・都道府県) |
| 児童虐待防止法 | 18歳未満の児童 | 市町村・児童相談所(福祉事務所) |
参考: 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について