第107回 看護師国家試験 午前 問45 解説
📝 問題
Aさん(56歳、男性)は、化学療法後の血液検査にて好中球数300/mm3であった。Aさんの状態で正しいのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 好中球数300/mm3は高度の好中球減少であり、日和見感染症のリスクが高い状態である。
好中球数500/mm3未満は高度の好中球減少で、通常は病原性の低い微生物による日和見感染症(真菌・弱毒菌など)のリスクが著しく高まる易感染状態である。
感染予防が最優先となる。清潔保持のため入浴は控えるのではなく清潔ケアを行い、口腔ケアは粘膜や歯肉を傷つけない軟らかい歯ブラシを用いる(歯間ブラシは出血・感染源となりうるため避ける)。 化学療法後は骨髄抑制によりリンパ球を含む白血球全般が減少する。
好中球とは
白血球のうち最も数が多く、細菌や真菌を食べて処理する細胞。減ると感染しやすくなる。
- 1
入浴を控える必要がある。不正解
感染予防のため清潔保持は重要で、入浴を一律に控える必要はなく、むしろ清潔ケアが求められる。
- 2
日和見感染症のリスクが高い。正解
好中球300/mm3は高度の好中球減少で、日和見感染症のリスクが高い易感染状態である。
- 3
口腔ケアには歯間ブラシを用いる必要がある。不正解
歯間ブラシは歯肉を傷つけ出血・感染源となりうるため、易感染時は軟毛ブラシを用いる。
- 4
化学療法の開始前と比べリンパ球数は増加している。不正解
化学療法後は骨髄抑制により白血球全般が減少し、リンパ球も減少する。
📚 一緒に確認しよう
化学療法の骨髄抑制は、どの血球がいつ減り、何に注意するかを組み合わせて問われる。白血球=感染、血小板=出血、赤血球=貧血、と対にして覚えよう。 化学療法による骨髄抑制は白血球だけでなく血小板・赤血球にも及ぶ。血小板減少では出血傾向(打撲・剃刀・強く鼻をかむことを避ける)、貧血では易疲労・息切れへの配慮が必要となる。
- 好中球数=白血球数×(桿状核球+分節核球)%。500/μL未満で重度の易感染状態となる。
- 化学療法後の白血球最低値(nadir)はおおむね投与後7〜14日で、その後回復する。
- 発熱性好中球減少症はただちに広域抗菌薬を開始すべき緊急事態である。
- 予防=手指衛生・含嗽・口腔ケア(軟毛ブラシ)、生ものや生花・鉢植えを避ける、人混みを避ける、必要に応じG-CSF。
参考: 系統看護学講座 成人看護学 血液/がん看護
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について