第107回 看護師国家試験 午前 問120 解説
📝 問題
次の文を読み119、120の問いに答えよ。Aさん(17歳、高校生)。機能性月経困難症と診断された。Aさんは「次の月経からは、痛みがあれば、処方された鎮痛薬を飲むようにします。部活動で毎日ジョギングをしていますが、その他に日常生活で気を付けることを教えてください」と看護師に聞いてきた。 このときの看護師の指導で適切なのはどれか。
✅ 正解
2
💡 解説
✅ 機能性月経困難症の症状緩和には、下腹部を温めて血流を促す指導が適切である。
機能性月経困難症の下腹部痛には、子宮の収縮と血管の収縮による虚血が関わっている。 下腹部を温めると局所の血流が改善し、平滑筋の緊張がゆるんで疼痛が和らぐ。 日常生活での温罨法は薬物療法と一緒に行える安全なセルフケアで、部活動を続けるAさんへの生活指導として適切である。
月経困難症のセルフケアは、血流を促して痛みを和らげる方向で選ぶ。 すでに毎日走っているAさんに運動量をさらに増やす根拠は乏しく、葉酸は月経痛に直接は関わらないので控える必要はない。腰部のマッサージはむしろ血流を促すので、控えるのは逆になる。
温罨法とは
蒸しタオルや湯たんぽなどで体の一部を温め、血流をよくして痛みや緊張をやわらげる手当て。
- 1
運動量を増やす。不正解
Aさんはすでに毎日ジョギングをしており、運動量をさらに増やす根拠は乏しい。
- 2
下腹部を温める。正解
下腹部を温めると血流が改善し子宮平滑筋の緊張が和らいで疼痛が緩和されるため、適切な指導である。
- 3
葉酸を含む食品は控える。不正解
葉酸は月経痛に直接関与せず、葉酸を含む食品を控える必要はない。
- 4
腰部のマッサージは控える。不正解
腰部のマッサージは血流を促して症状の緩和に役立つため、むしろ勧めてよい。
📚 ここも一緒におさえておこう
月経困難症のセルフケアは、痛みを和らげる方法・悪化させる要因・受診の目安と治療の選択肢がまとめて問われる。行動とその理由を対にして覚えよう。
- 下腹部や腰部の温罨法、入浴、適度な運動、マッサージは、いずれも骨盤内の血流を改善して痛みを和らげる
- 鎮痛薬は痛みが強くなる前に早めに内服するほうが効果的で、我慢してから飲むより少ない量ですむ
- 喫煙・過度のダイエット・睡眠不足・身体の冷えは症状を悪化させる要因となる
- 鎮痛薬が効かない、痛みが以前より強くなってきた場合は、器質性月経困難症の鑑別のため受診を勧める
- 月経困難症が続くと学業や部活動に支障をきたすため、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)による治療も選択肢となることを情報提供する
参考: 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編」/医療情報科学研究所編『母性看護学』
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について