第107回 看護師国家試験 午前 問108 解説
📝 問題
次の文を読み106〜108の問いに答えよ。Aさん(50歳、男性)は、統合失調症で医療保護入院中であったが退院を検討している。Aさんの退院については、アパートでの単身生活か、共同生活援助(グループホーム)での生活を目指すことになった。 Aさんの精神科リハビリテーションを進めるにあたり、病棟看護師が連携する職種で最も優先度が高いのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 医療保護入院者の退院・地域移行の中心的役割を担う退院後生活環境相談員との連携が最も優先される。
退院後生活環境相談員は、精神保健福祉法にもとづき医療保護入院者に対して選任され、退院に向けた相談支援や地域生活への移行調整の中心を担う職種である。 Aさんが単身生活やグループホームでの生活を目指すにあたり、退院後の住まいと支援体制を調整するこの相談員との連携が、精神科リハビリテーションを進めるうえで最も優先度が高い。
多職種連携の問題では「その患者の目標達成に直結する職種」を選ぶ。 理学療法士・介護福祉士・栄養士は、それぞれ運動・生活介護・栄養の専門職である。Aさんの当面の課題は退院後の生活環境の調整であり、これを担う退院後生活環境相談員が最優先となる。 職種の役割と患者の目標を結びつけて判断する。
- 1
退院後生活環境相談員正解
退院後生活環境相談員は医療保護入院者の退院・地域移行調整の中心を担い、Aさんの目標達成に直結するため、連携の優先度が最も高い。
- 2
理学療法士不正解
理学療法士は身体機能の回復を担う職種で、退院後の生活環境調整を目指す本例の優先連携先ではない。
- 3
介護福祉士不正解
介護福祉士は生活介護を担うが、Aさんの当面の課題である退院後の環境調整の中心的役割ではない。
- 4
栄養士不正解
栄養士は栄養管理を担う職種であり、退院・地域移行支援において最優先の連携先とはいえない。
📚 ここも一緒におさえておこう
退院後生活環境相談員は精神保健福祉士などから選ばれ、医療保護入院では入院後7日以内に選任して本人と家族等に伝えることとされている。
| 職種 | 主な役割 |
|---|---|
| 精神保健福祉士(PSW) | 生活・就労・住居・経済面の相談、社会資源の調整、退院支援 |
| 作業療法士(OT) | 作業療法を通じた生活機能・社会適応能力の回復支援 |
| 公認心理師・臨床心理士 | 心理検査、心理療法、心理教育 |
| 相談支援専門員 | 障害福祉サービス等利用計画の作成とサービス調整 |
| ピアサポーター | 同じ経験をもつ立場からの支援と、回復への希望の提供 |
参考: 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)/医療情報科学研究所編『精神看護学』
出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について