第107回 看護師国家試験 午前 問100 解説

状況設定小児看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み100〜102の問いに答えよ。Aちゃん(3歳、女児)は、父親(会社員)と母親(会社員)との3人暮らし。Aちゃんは、生後11か月のときに、卵による食物アレルギーと診断され、医師の指示で卵の除去食療法をしていた。保育所では卵を除去した給食が提供されている。Aちゃんは保育所の給食の時間に、隣の席の園児の卵が入ったおかずを摂取し、蕁麻疹と咳嗽が出現した。保育士に連れられて救急外来を受診した。Aちゃんは保育士に抱っこされ、「かゆい」と訴えており、咳込みがみられた。 受診時に観察する項目で優先度が高いのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 蕁麻疹と咳嗽を呈するアナフィラキシー疑いでは、循環・呼吸状態を反映する心拍数の観察が最優先である。

卵アレルギーの児が原因食を摂取し、蕁麻疹(皮膚)と咳嗽(呼吸器)という複数臓器の症状が出ており、アナフィラキシーへの進展を警戒する場面である。 アナフィラキシーでは血圧低下・循環不全(アナフィラキシーショック)が生命を脅かすため、循環動態を鋭敏に反映する心拍数(頻脈・徐脈)の観察が最も優先される。 小児では血圧の測定より、心拍数と呼吸状態の変化のほうが早期の指標になる。

アナフィラキシーの対応は「ABC(気道・呼吸・循環)」の優先度で観察項目を選ぶ。 体温・腸蠕動音・蕁麻疹の範囲は重症度の評価に役立つが、生命に直結する循環と呼吸の指標が先にくる。 複数の臓器に症状が出た時点でアナフィラキシーと判断し、急変に備える。

  • 1

    体温不正解

    体温はアレルギー反応の緊急度を反映せず、循環・呼吸状態の観察に比べ優先度は低い。

  • 2

    心拍数正解

    心拍数は循環動態を鋭敏に反映し、アナフィラキシーショックの早期発見に直結するため、観察の優先度が最も高い。

  • 3

    腸蠕動音不正解

    腸蠕動音は消化器症状の評価に有用だが、生命に直結する循環・呼吸の観察より優先度は低い。

  • 4

    蕁麻疹の範囲不正解

    蕁麻疹の範囲は重症度の参考にはなるが、循環不全を示す心拍数の観察が優先される。

📚 国試でよく狙われるところ

アナフィラキシーは、最初に使う薬・打つ部位・とらせる体位・そのあとの観察が、まとめて問われる。起きた順に並べて覚えよう。

  • 第一選択薬はアドレナリンの筋肉内注射で、部位は大腿前外側部、用量は0.01mg/kg(最大量は成人0.5mg、小児0.3mg)
  • 抗ヒスタミン薬や副腎皮質ステロイドは補助的な位置づけで、アドレナリンの代わりにはならない
  • 仰臥位で下肢を挙上し静脈還流を保つ。急に座らせたり立たせたりすると急変を招くため避ける(呼吸困難が強いときは坐位)
  • 二相性反応(数時間後の再燃)があるため、症状が改善しても一定時間は経過観察する
  • アドレナリン自己注射薬(エピペン®)は、本人・家族に加え保育所や学校の職員も緊急時に使用できる

参考: 日本アレルギー学会「アナフィラキシーガイドライン」/医療情報科学研究所編『小児看護学』

出典:「第107回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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