第106回 看護師国家試験 午後 問98 解説
📝 問題
次の文を読み97〜99の問いに答えよ。Aちゃん(11歳、女児)。眼瞼浮腫がみられたため、眼科を受診し治療を受けたが改善しなかった。その後、Aちゃんと母親が下腿の浮腫に気付き眼科の医師に相談したところ、特発性ネフローゼ症候群を疑われたため、小児科のある病院を紹介され受診した。 Aちゃんは排尿回数が減少し、全身に浮腫が認められた。血圧は110/68mmHgであった。尿検査を行い、尿蛋白4+であった。血液検査は、アルブミン1.3g/dL、総コレステロール350mg/dL、クレアチニン0.4mg/dL、Na130mEq/L、K4.5mEq/Lであった。特発性ネフローゼ症候群と診断され入院した。 Aちゃんが摂取を制限する必要があるのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ 摂取を制限する必要があるのはナトリウムである。
Aちゃんは尿へ蛋白が大量に漏れ、血液中のアルブミンが1.3g/dLまで下がっている。血管の中に水を保てず、水とナトリウムが体にたまって全身の浮腫になっている。 浮腫が強い時期は食塩を減らし、水をため込む力を弱めるのが基本である。
残る4つは制限する理由がない。 蛋白質は成長に必要なので減らさず、水分も、体の水が血管の外へ移っている状態なので厳しく制限しない。 カリウムとリンの制限は腎臓の働きが落ちたときに考えるもので、クレアチニン0.4mg/dLのAちゃんには当てはまらない。
- 1
ナトリウム正解
水をため込む働きの中心がナトリウムである。浮腫が強い時期は食塩を控える。
- 2
カリウム不正解
カリウムは4.5mEq/Lで正常の範囲にある。制限が必要になるのは、腎臓の働きが落ちて高カリウム血症になったときである。
- 3
蛋白質不正解
蛋白質は成長に必要な量をとる。尿へ漏れる分を補って増やすことも、腎臓を守るために減らすこともしない。
- 4
水分不正解
水分は、血管の中の水がむしろ減っている状態。厳しく制限すると血液が濃くなり、血栓ができやすくなる。
- 5
リン不正解
リンがたまるのは腎臓の働きが大きく落ちたとき。クレアチニンは正常で、その段階にはない。
📚 混同しやすいので注意
ネフローゼ症候群の食事は、制限するものとしないものを入れ替えて問われる。減らすのは食塩だけ、と覚えよう。
- 浮腫が強い時期は食塩を控える。浮腫が引いたら制限をゆるめる
- 蛋白質は制限しない。成長に必要な量をとる
- 水分も原則制限しない。血管の中の水はむしろ減っており、血栓ができやすい状態にある
参考: 小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン/医療情報科学研究所編『病気がみえる 腎・泌尿器』関連資料
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について