第106回 看護師国家試験 午後 問96 解説

状況設定老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

次の文を読み94〜96の問いに答えよ。Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折と診断され、安静目的で入院した。 既往歴:5年前に大腿骨骨折。 現病歴:2年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。 生活歴:要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。 入院後3週、Aさんはコルセットを装着し、杖を使ってゆっくり歩けるようになった。翌週には自宅へ退院することが決まった。 Aさんの退院に向けて、Aさんと長男夫婦への指導内容で適切なのはどれか。

✅ 正解

2

💡 解説

✅ 退院後は家の中での日常生活行動を積極的に行うよう指導する。

圧迫骨折のあとに動かない時間が続くと、筋力と骨量がさらに落ち、次の骨折と寝たきりを招く。Aさんはコルセットと杖で歩けるところまで回復しているので、家の中の日常生活行動(トイレ・着替え・食事の支度)を自分で行うよう勧める。 体を動かすことは骨への適度な刺激になり、廃用症候群の予防にもなる。

残る3つは、体への負担のかけ方を誤っている。 コルセットを外す時期は、骨のつき方をみて医師が決める。 毎日5,000歩のウォーキングは、退院直後のAさんには量が多い。 ビタミンB1は糖をエネルギーに変えるときに使う栄養素で、骨を強くするのはカルシウムとビタミンDである。

  • 1

    自宅ではコルセットを外してよい。不正解

    コルセットは骨がつくまで背骨を支える装具。自宅に戻っても、外す時期は医師の指示に従う。

  • 2

    家の中での日常生活行動を積極的に行う。正解

    家の中で体を動かすことが、筋力と骨量を保ち、次の骨折を防ぐ。回復した動作を生活の中で使い続ける。

  • 3

    5,000歩程度のウォーキングを毎日行う。不正解

    毎日5,000歩のウォーキングは、杖を使い始めたばかりのAさんには量が多い。まず家の中の動作から広げていく。

  • 4

    ビタミンB1の多い食品を積極的に摂取する。不正解

    ビタミンB1は糖の代謝に必要な栄養素で、不足すると脚気を起こす。骨に必要なのはカルシウムとビタミンDである。

📚 国試でよく狙われるところ

骨粗鬆症による圧迫骨折は、安静にするか動かすかで迷わせる形で問われる。痛みが落ち着いたら動かす、と覚えよう。

  • 骨に必要な栄養はカルシウム・ビタミンD・ビタミンK・たんぱく質。ビタミンDは日光を浴びると皮膚でも作られる
  • 胸腰椎の圧迫骨折では、前かがみ・重い物を持つ・体をひねる動作を避けるよう伝える
  • 家の中の段差・敷物・電気コードは転倒の原因になる。手すりの設置は介護保険の住宅改修が使える

参考: 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン/医療情報科学研究所編『老年看護学』関連資料

出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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