第106回 看護師国家試験 午後 問84 解説
📝 問題
児童憲章について正しいのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
1・3
💡 解説
✅ 児童憲章は、児童が人として尊ばれること、よい環境のなかで育てられることを定めている。
児童憲章は昭和26年(1951年)に定められた、子どもについての宣言である。こどもの日にあたる5月5日に制定された。 冒頭に三原則が置かれている。 ・児童は、人として尊ばれる ・児童は、社会の一員として重んぜられる ・児童は、よい環境のなかで育てられる
他の選択肢は、時期と性格が食い違う。児童の権利に関する条約が国連で採択されたのは1989年、日本が批准したのは1994年で、いずれも児童憲章よりずっとあとである。 保護者の責務は児童福祉法が定めている。児童憲章のほうは法律ではなく理念を示す宣言で、罰則を持たない代わりに、子どもをどう扱うべきかという考え方を社会全体へ示している。
批准とは
国が条約の内容に同意し、これを守ると正式に決めること。批准すると、その国の中で条約が効力を持つようになる。
- 1
児童がよい環境の中で育てられることを定めている。正解
「児童は、よい環境のなかで育てられる」は児童憲章の三原則の1つである。
- 2
児童の権利に関する条約を受けて制定された。不正解
順序が逆。児童憲章は1951年、児童の権利に関する条約の採択は1989年で、憲章のほうが約40年早い。
- 3
児童が人として尊ばれることを定めている。正解
「児童は、人として尊ばれる」は児童憲章の冒頭に置かれた一文である。
- 4
保護者の責務を定めている。不正解
保護者の責務を定めているのは児童福祉法である。児童憲章は国民全体に向けて子どもへの姿勢を示した宣言で、特定の人の義務を定める形をとっていない。
- 5
違反すると罰則規定がある。不正解
児童憲章は法律ではなく宣言なので罰則はない。社会全体で共有する考え方を示すことが役割である。
📚 混同しやすいので注意
子どもに関する決まりは名前が似ているうえ、できた年と「宣言か法律か」を入れ替えて問われる。年・性格・中身の3つを1組で覚えよう。
- こども基本法の施行にあわせて2023年4月にこども家庭庁が発足し、子どもに関する政策の司令塔になった。
| 名称 | 成立 | 性格と中身 |
|---|---|---|
| 児童福祉法 | 1947年 | 法律。児童福祉の基本と、保護者・国・自治体の責務を定める |
| 児童憲章 | 1951年 | 宣言。子どもの権利についての理念を示す。罰則はない |
| 児童の権利に関する条約 | 1989年国連採択(日本の批准は1994年) | 条約。差別の禁止・生命と発達・子どもの最善の利益・意見の尊重の4原則 |
| こども基本法 | 2022年成立(2023年施行) | 法律。条約の理念を国内法に位置づけ、こども施策の基本を定める |
参考: 児童憲章(1951年制定)/こども家庭庁「こども基本法」
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について