第106回 看護師国家試験 午後 問78 解説
📝 問題
出血傾向を把握するために重要なのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
3・5
💡 解説
✅ 出血傾向をみるには、血小板数と活性化部分トロンボプラスチン時間を確認する。
血が止まるまでには2つの段階がある。 まず血小板が傷ついた血管に集まって傷口をふさぎ(一次止血)、続いて血液中の凝固因子が働いてフィブリンという網をかけ、しっかりした塊にする(二次止血)。
出血しやすいかどうかは、この2段階をそれぞれ調べる。血小板数は前半をみる検査で、基準値は15万〜35万/μL、5万/μLを下回ると出血しやすくなる。活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉は後半をみる検査で、延長していれば凝固因子の働きが落ちている。
他の選択肢は、止血とは別のことを示す検査である。血糖値は糖の代謝の状態、血清鉄は体に鉄が足りているか、アルカリフォスファターゼは肝臓・胆道や骨の状態をみる。
- 1
血糖値不正解
血糖値は糖の代謝の状態を示す検査で、糖尿病の診断や治療の管理に用いる。
- 2
血清鉄不正解
血清鉄は体の鉄が足りているかを示し、鉄欠乏性貧血の評価に用いる。
- 3
血小板数正解
血小板は傷ついた血管に集まって最初に傷口をふさぐ。数が減ると一次止血が働かず、皮下出血や鼻出血が起こりやすくなる。
- 4
アルカリフォスファターゼ値不正解
アルカリフォスファターゼは肝臓・胆道や骨に多く含まれる酵素で、胆道の詰まりや骨の病気で上がる。
- 5
活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉正解
活性化部分トロンボプラスチン時間は、凝固因子が働いて血液が固まるまでの時間を測る検査で、延長すると出血しやすくなる。
📚 混同しやすいので注意
凝固の検査はプロトロンビン時間〈PT〉と活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉が並べて問われる。どちらの薬の管理に使うかを対にして覚えよう。
- 点状出血・紫斑、歯ぐきからの出血、鼻血が止まりにくいといった見た目のサインから、出血傾向を疑って検査につなげる。
- 血小板が減る代表は、免疫性血小板減少性紫斑病〈ITP〉、播種性血管内凝固〈DIC〉、抗癌薬による骨髄抑制である。
| 検査 | みているもの | 延長する主な場面 |
|---|---|---|
| プロトロンビン時間〈PT〉 | 外因系の凝固 | ワルファリンの服用、肝障害、ビタミンKの不足 |
| 活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉 | 内因系の凝固 | ヘパリンの投与、血友病 |
参考: 臨床検査学(止血・凝固検査)/成人看護学(出血傾向のある患者の看護)
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について