第106回 看護師国家試験 午後 問76 解説
📝 問題
急性炎症と比較して慢性炎症に特徴的な所見はどれか。2つ選べ。
✅ 正解
3・4
💡 解説
✅ 慢性炎症では、リンパ球と形質細胞が組織に集まってとどまる。
炎症は続いた長さで、集まってくる細胞の顔ぶれが変わる。 始まったばかりの急性炎症では好中球が真っ先に駆けつけ、血管が広がって透過性が高まり、水分や蛋白質がしみ出して腫れる。この動きは数時間〜数日でいちばん強くなる。
数週間以上続く慢性炎症になると主役が入れ替わり、リンパ球・形質細胞・マクロファージが組織にとどまる。抗体を作る形質細胞が見られるのは、免疫の反応が長く続いているしるしである。 組織が壊れては直るのを繰り返すため、線維がふえて硬くなる線維化も慢性炎症の像になる。
他の選択肢は急性炎症の側にある。好中球の浸潤と血管透過性の亢進は、急性炎症そのものの所見である。 CRPは肝臓で作られる急性期蛋白で、急性でも慢性でも上がる。炎症の強さや治療の効き目をみる指標であり、慢性炎症だけを指す手がかりにはならない。
形質細胞とは
抗体を作り出す細胞。リンパ球(B細胞)が変化してできる。体が長く反応し続けている場所に増える。
- 1
好中球浸潤不正解
好中球は細菌などが入ってきた直後にまず駆けつける細胞で、急性炎症の主役である。
- 2
CRPの上昇不正解
CRPは炎症があると肝臓で作られる蛋白で、急性炎症で大きく上昇する。慢性炎症でも上がるため、急性と比べたときの特徴にはならない。
- 3
リンパ球浸潤正解
リンパ球は免疫の反応を長く続ける細胞で、慢性炎症の組織に多く見られる。
- 4
形質細胞の浸潤正解
形質細胞はリンパ球(B細胞)が変化して抗体を作るようになった細胞で、反応が長引いている組織に現れる。
- 5
血管透過性の亢進不正解
血管の透過性が高まって水分や蛋白質がしみ出すのは、急性炎症で腫れが起こる仕組みである。
📚 国試でよく狙われるところ
炎症は、急性と慢性で集まる細胞を入れ替えて問われる。「急性は好中球、慢性はリンパ球と形質細胞」と細胞の名前で対にして覚えよう。
| 項目 | 急性炎症 | 慢性炎症 |
|---|---|---|
| 続く長さ | 数時間〜数日 | 数週間〜数か月以上 |
| 主に集まる細胞 | 好中球 | リンパ球・形質細胞・マクロファージ |
| 血管の反応 | 拡張と透過性の亢進が強い | 目立たない |
| 組織の変化 | 浮腫・滲出液がたまる | 線維化・肉芽組織ができる |
参考: 病理学(急性炎症と慢性炎症の細胞浸潤)
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について