第106回 看護師国家試験 午後 問63 解説
📝 問題
災害医療におけるトリアージについて正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 災害医療のトリアージは、限られた医療資源を効率よく配分するために行われる。
災害では、助けを求める人の数に対して医療者も薬も搬送手段もまったく足りない。そこで一人ひとりの緊急度と重症度を短時間で見きわめ、治療と搬送の順番を決める。これがトリアージで、ねらいは限られた医療資源を、助かる命が最も多くなるように振り分けることにある。
分けるものさしは病名ではなく、いま起きている状態の重さである。 救命が難しいと判断された人の優先順位は最も低くなる。まず救えるいのちに人手と物を回すのが災害時の原則で、平時の医療とはここが逆になる。 危険な場所と安全な場所を分ける作業はゾーニングとよばれ、トリアージとは別の手順である。
- 1
傷病者を病名によって分類する。不正解
災害現場で病名を確定するのは後まわしになる。分けるものさしは、いま治療しなければ命に関わるかという緊急度と重症度である。
- 2
危険区域と安全区域を分けることである。不正解
危険な場所と安全な場所を分けるのはゾーニングで、活動を始める前の安全確保にあたる。
- 3
医療資源の効率的な配分のために行われる。正解
限られた医療資源を、助かる人が最も多くなるように配分するのがトリアージの目的である。
- 4
救命が困難な患者に対する治療を優先する。不正解
逆。救命が困難な人は最も低い優先順位に置き、処置をすれば助かる人を先に治療する。
📚 国試でよく狙われるところ
トリアージは、区分の色と順番、そして最初のふるい分けのしかたが問われる。色・番号・状態を3つ1組で覚えよう。 ふるい分けにはSTART法を使い、歩けるか・呼吸・脈・簡単な指示に従えるかを30秒以内で見る。
| 区分(色) | 状態 | 対応 |
|---|---|---|
| Ⅰ(赤) | 生命に関わるが、処置をすれば助かる | 最優先で治療・搬送する |
| Ⅱ(黄) | すぐ命に関わらないが、放置すると悪化する | 赤のあとに治療・搬送する |
| Ⅲ(緑) | 歩ける軽症 | 待機してもらう |
| 0(黒) | 死亡、または現場では救命が困難 | 優先順位は最も低い |
参考: 厚生労働省の災害医療に関する通知(トリアージ・タッグ)/災害看護学の標準的な教科書
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について