第106回 看護師国家試験 午後 問48 解説
📝 問題
老年期のうつ病に特徴的な症状はどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 老年期のうつ病では、体の不調をくり返し訴える心気症状が目立つ。
老年期のうつ病は、気分の落ち込みを言葉にすることが少なく、代わりにからだの訴えとして現れやすい。 頭痛・めまい・食欲不振・便秘・しびれなどを次々に訴え、検査で異常が見つからなくても納得しないのが心気症状である。
不安や焦りが強く出ることも多く、貧困妄想・罪業妄想・心気妄想という微小妄想がそろうこともある。 物忘れや反応の鈍さが前面に出て認知症と間違われる仮性認知症にも注意する。
心気症状とは
体に重い病気があるのではないかと強く心配し、検査で異常がなくても訴えが続く状態。
- 1
幻覚不正解
幻覚は統合失調症やせん妄、レビー小体型認知症の幻視でみられる症状で、うつ病の中心にはならない。
- 2
感情鈍麻不正解
感情鈍麻は喜怒哀楽が乏しくなる状態で、統合失調症の陰性症状にあたる。
- 3
心気症状正解
体の不調を強く訴え、検査で異常がなくても心配が消えないのが心気症状で、老年期のうつ病に目立つ。
- 4
着衣失行不正解
着衣失行は服の着方が分からなくなる症状で、アルツハイマー型認知症など頭頂葉の障害でみられる。
📚 混同しやすいので注意
老年期のうつ病と認知症は、どちらも物忘れと意欲低下で始まるため入れ替えて問われる。始まり方と本人の自覚で見分けよう。
| みるところ | 老年期うつ病 | 認知症 |
|---|---|---|
| 始まり方 | はっきりした時期がある | いつからか分からない |
| 経過 | 日内変動があり朝に悪い | ゆっくり進む |
| 物忘れの自覚 | 自分から強く訴える | 自覚が乏しい |
| 質問への答え方 | 「分からない」と答える | 取りつくろう |
参考: 医学書院「系統看護学講座 老年看護学」/医学書院「系統看護学講座 精神看護学」
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について