第106回 看護師国家試験 午後 問28 解説
📝 問題
慢性閉塞性肺疾患について正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 慢性閉塞性肺疾患では、肺が弾力を失って肺コンプライアンスが上昇する。
慢性閉塞性肺疾患(COPD〈シーオーピーディー〉)では、肺胞の壁が壊れて肺が弾力を失う。ふくらみやすく縮みにくい肺になり、肺コンプライアンスは上昇する。 縮む力が弱いので息を吐き切れず、残気量は増加して胸が前後に膨らむ。
検査では、気管支拡張薬を吸っても1秒率が70%未満のままで、これが診断の決め手になる。肺そのものが広がる量は保たれるため、%肺活量は下がりにくい。
肺コンプライアンスとは
肺のふくらみやすさのこと。値が大きいほど楽にふくらみ、小さいほど硬くて広がりにくい。
- 1
残気量は減少する。不正解
逆。息を吐き切れずに空気が肺に残るため、残気量は増加する。
- 2
%肺活量の低下が著明である。不正解
%肺活量が下がるのは、肺が広がりにくくなる拘束性換気障害である。慢性閉塞性肺疾患で下がるのは1秒率である。
- 3
肺コンプライアンスは上昇する。正解
肺胞の壁が壊れて弾力を失うため、肺はふくらみやすくなる。これが肺コンプライアンスの上昇である。
- 4
可逆性の気流閉塞が特徴である。不正解
気流の閉塞は不可逆性で、気管支拡張薬を吸っても十分には戻らない。薬でよく戻る可逆性の閉塞は気管支喘息の特徴である。
📚 混同しやすいので注意
換気障害は、閉塞性と拘束性を入れ替えて問われる。1秒率と%肺活量のどちらが下がるかで見分けよう。
| 型 | 下がる指標 | 代表的な疾患 |
|---|---|---|
| 閉塞性 | 1秒率が下がる | 慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息 |
| 拘束性 | %肺活量が80%未満になる | 間質性肺炎、肺線維症、胸郭の変形 |
| 混合性 | 1秒率と%肺活量の両方が下がる | 進行した慢性閉塞性肺疾患など |
参考: 標準的な呼吸器病学(慢性閉塞性肺疾患の病態と検査)/呼吸機能検査による換気障害の分類
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について