第106回 看護師国家試験 午後 問100 解説
📝 問題
次の文を読み100〜102の問いに答えよ。Aさん(24歳、初産婦、会社員)は、現在、両親と妹の4人で暮らしている。パートナー(24歳、会社員)と結婚する予定である。Aさんは、妊娠8週の妊婦健康診査で「朝起きると気持ちが悪くあまり食べられません。台所から食べ物の匂いがするだけで吐き気がします」と話している。 Aさんへの食事指導で最も適切なのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 1回量を少なくして食べる回数を増やすよう勧めるのが最も適切である。
妊娠初期の悪心・嘔吐(つわり)は、空腹のときに強くなる。Aさんが朝起きたときにつらいのはそのためである。 1回の量を減らして食べる回数を増やせば、胃が空になる時間が短くなり、症状がやわらぐ。この時期は食べられるものを食べられるときにとるのが基本で、量や中身をそろえることは求めない。
残る3つは、症状を強めるか、いまのAさんに求めることではない。 温かい飲み物は匂いが立ちやすく、匂いで吐き気が出るAさんには向かない。 栄養のバランスは、つわりが治まってから整えれば間に合う。 カロリーの高い食べ物は脂肪が多く、胃にとどまる時間が長い。
- 1
水分は温かい飲料にする。不正解
冷たくさっぱりしたもののほうが受け入れやすい。温めると匂いが立ち、匂いで吐き気が出るAさんには負担になる。
- 2
栄養のバランスのよい食物を摂取する。不正解
栄養のバランスは、つわりが治まってから整える。胎児が必要とする量はこの時期はまだ多くない。
- 3
1回量を少なくして食べる回数を増やす。正解
1回の量を減らして回数を増やすと、胃が空になる時間が短くなる。空腹で強まる悪心をやわらげられる。
- 4
カロリーの高い食物を積極的に摂取する。不正解
高カロリーの食べ物は脂肪が多く、胃にとどまる時間が長い。悪心をかえって強める。
📚 ここも一緒におさえておこう
つわりと妊娠悪阻は、どこから治療が要るかの線引きで問われる。体重が減る、尿にケトン体が出るなら受診、と覚えよう。
- つわりは妊娠5〜6週ごろに始まり、12〜16週ごろに自然に治まることが多い
- 妊娠悪阻は、嘔吐を繰り返して食事も水分もとれず、体重が減って脱水や尿ケトン体陽性がみられる状態。輸液が必要になる
- 重症化するとビタミンB1が不足し、Wernicke〈ウェルニッケ〉脳症を起こす。輸液にはビタミンB1を加える
参考: 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針(厚生労働省)/医療情報科学研究所編『病気がみえる 産科』関連資料
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について