第106回 看護師国家試験 午前 問31 解説
📝 問題
腹部CT(別冊No.2)を別に示す。矢印で示す部位について正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ 矢印が示すのは皮下脂肪で、これが厚い肥満は洋梨型の体型が特徴である。
腹部CTの矢印は、腹壁の筋層より外側にある皮下脂肪を指している。 皮下脂肪が主体の肥満では腰や太ももに脂肪がついた洋梨型の体型になり、腸の周りにたまる内臓脂肪が主体だと上腹部が張り出したリンゴ型になる。
肥満の判定にはこれとは別のものさしを使う。体格は身長と体重から出すBMIで表し、内臓脂肪のたまり具合は腹囲(男性85cm以上・女性90cm以上)でみる。
肥満細胞とは
マスト細胞ともいう。刺激を受けるとヒスタミンを放出し、アレルギー反応を起こす免疫の細胞。
- 1
肥満細胞で構成される。不正解
脂肪組織を作っているのは脂肪細胞である。肥満細胞は名前が似ているだけで、アレルギーに関わる免疫の細胞にあたる。
- 2
厚さはBMIの算出に用いられる。不正解
BMIは体重(kg)を身長(m)の2乗で割って求めるもので、脂肪の厚さは使わない。皮下脂肪の厚さは、上腕や肩甲骨の下をはさんで測り、体脂肪量の目安にする。
- 3
厚い場合は洋梨型の体型の肥満が特徴的である。正解
皮下脂肪が厚いと、下半身を中心に脂肪がついた洋梨型の体型になる。皮下脂肪型肥満ともよばれる。
- 4
厚い場合はメタボリックシンドロームと診断される。不正解
メタボリックシンドロームの土台になるのは皮下脂肪ではなく内臓脂肪の蓄積で、腹囲が基準を超えたうえに脂質・血圧・血糖のうち2つ以上が外れたときに診断される。
📚 混同しやすいので注意
肥満は脂肪がどこにつくかで危険度が変わる。皮下脂肪型と内臓脂肪型を、性差と合併症で対にして覚えよう。
- 皮下脂肪型は女性に多く、いったんついた脂肪は減りにくい
- 内臓脂肪型は男性に多く、脂質異常症・高血圧・高血糖を伴いやすい
- 内臓脂肪は食事と運動で減らしやすいため、特定健康診査で腹囲を測って早く見つける
参考: 厚生労働省 e-ヘルスネット(メタボリックシンドローム・内臓脂肪型肥満)/メタボリックシンドロームの診断基準(8学会合同)
出典:「第106回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について