第105回 看護師国家試験 午後 問87 解説
📝 問題
眼底検査が必要なのはどれか。2つ選べ。
✅ 正解
2・4
💡 解説
✅ 眼底検査が必要なのは、網膜の細い血管が傷む糖尿病と高血圧症である。
眼底は網膜の血管と視神経が集まっているところで、体の中で血管を切らずに直接見られる唯一の場所である。 全身の血管が傷む病気では、眼底の変化がそのまま体の中で起きていることを映し出す。
糖尿病では高血糖が続くと網膜の細い血管が傷み、糖尿病網膜症へ進む。自覚症状が出るころには進行しているため、見えづらさがなくても定期的に眼底をみる。 高血圧症では細い動脈に高い圧がかかり続け、動脈が細くなる、交叉部で静脈がへこむといった高血圧性網膜症の変化が現れる。
残りは眼底とは別の場所の病気である。中耳炎は鼓膜の奥、麦粒腫はまぶたのふちの化膿で、どちらも目の奥は関係しない。筋萎縮性側索硬化症は運動神経が侵される病気で、眼球運動は最後まで保たれる。
- 1
中耳炎不正解
中耳炎は鼓膜の奥の炎症で、耳の痛みと難聴が問題になる。目の奥とは関係しない。
- 2
糖尿病正解
高血糖が網膜の細い血管を傷め、糖尿病網膜症を起こす。自覚症状が出る前に見つけるため定期的に検査する。
- 3
麦粒腫不正解
麦粒腫はまぶたのふちの脂腺や汗腺が化膿したもので、外から見て診断できる。
- 4
高血圧症正解
高い圧が細い動脈にかかり続け、動脈の細まりや交叉部での静脈のへこみが眼底に現れる。
- 5
筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉不正解
筋萎縮性側索硬化症は運動神経が侵される病気で、眼球運動は最後まで保たれる。眼底の血管は障害されない。
📚 ここも一緒におさえておこう
眼底検査は「なぜその病気で見るのか」を問われる。血管が傷む病気・頭の中の圧が上がる病気・視神経の病気の3つに分けて覚えよう。
- 血管が傷むもの=糖尿病・高血圧症・動脈硬化。糖尿病網膜症は自覚症状が出にくく、定期検査で早く見つける
- 頭の中の圧が上がるもの=脳腫瘍・頭蓋内出血。視神経の出口がむくむうっ血乳頭が現れる
- 視神経の病気=緑内障では視神経の出口がへこみ、視野検査と組み合わせて診断する
参考: 標準的な成人看護学(眼科的検査と全身疾患の眼合併症)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について