第105回 看護師国家試験 午後 問82 解説

📝 問題

水腎症の原因で正しいのはどれか。2つ選べ。

✅ 正解

1・4

💡 解説

✅ 水腎症は尿の通り道がせき止められて起こるもので、前立腺癌と神経因性膀胱が原因になる。

水腎症は、尿の流れがどこかでせき止められ、行き場を失った尿で腎盂と腎杯が拡張した状態である。 つまりが続くと腎臓の実質が押しつぶされ、腎機能が低下する。

原因は「尿路のどこかが詰まる」か「膀胱が尿を出せない」かの2つに分かれる。 前立腺癌は尿道を取り囲む前立腺が大きくなって尿道を圧迫し、尿の出口をふさぐ。 神経因性膀胱は脳や脊髄の障害で膀胱がうまく収縮できず、尿がたまったまま出せない。たまった尿は尿管をさかのぼり、腎臓を押し広げる。

残りの3つは尿の通り道をふさがない。陰囊水腫は陰囊の中に液体がたまるもの、ループス腎炎と腎アミロイドーシスは腎臓の組織そのものが侵されるものである。

神経因性膀胱とは

脳・脊髄・末梢神経の障害で膀胱のはたらきが乱れ、尿をためる・出すがうまくできなくなった状態。脊髄損傷や糖尿病、二分脊椎で起こる。

  • 1

    前立腺癌正解

    前立腺は尿道を取り囲んでいる。癌が大きくなると尿道が圧迫され、せき止められた尿で腎盂が拡張する。

  • 2

    陰囊水腫不正解

    陰囊水腫は精巣を包む膜の中に液体がたまるもので、尿の通り道とはつながっていない。

  • 3

    ループス腎炎不正解

    ループス腎炎は全身性エリテマトーデスによる糸球体の炎症で、腎臓の実質の病気。尿の通り道はふさがない。

  • 4

    神経因性膀胱正解

    脳や脊髄の障害で膀胱が尿を出せなくなり、たまった尿が尿管をさかのぼって腎臓を押し広げる。

  • 5

    腎アミロイドーシス不正解

    腎アミロイドーシスは異常な蛋白が糸球体に沈着する病気で、蛋白尿とネフローゼ症候群が問題になる。

📚 混同しやすいので注意

腎臓の病気は、尿の通り道が詰まったのか、腎臓の組織そのものが傷んだのかを入れ替えて問われる。原因を3つの箱に分けて覚えよう。

  • 通り道が詰まるもの=尿路結石・前立腺肥大症・前立腺癌・骨盤内の腫瘍による尿管の圧迫
  • 膀胱が出せないもの=神経因性膀胱・尿道狭窄
  • 腎臓の組織が傷むもの=糸球体腎炎・ループス腎炎・腎アミロイドーシス・間質性腎炎

参考: 標準的な泌尿器科学(水腎症の成因と病態)

出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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