第105回 看護師国家試験 午後 問57 解説
📝 問題
こころのバリアフリー宣言の目的で正しいのはどれか。
✅ 正解
3
💡 解説
✅ こころのバリアフリー宣言の目的は、精神疾患に対する正しい理解を広めることである。
こころのバリアフリー宣言は、平成16年(2004年)に厚生労働省がまとめた、精神疾患への正しい理解を広めるための指針である。 精神疾患は生涯のうちに5人に1人が経験する身近な病気であること、早く気づいて治療すれば回復すること、偏見が受診をためらわせることなどを8つの柱にまとめ、国民全体に向けて示した。 ねらいは、社会の側にある心のバリア(偏見や誤解)を取り除くことにある。
残りの3つは別の枠組みが扱う。身体障害者の人格の尊重は障害者基本法、高齢者の孤立の予防は介護保険や地域包括ケア、入院患者の行動制限の最小化は精神保健福祉法である。
- 1
身体障害者の人格の尊重不正解
障害者基本法や障害者差別解消法が扱う内容である。こころのバリアフリー宣言が対象にしているのは精神疾患のほうである。
- 2
高齢者の社会的な孤立の予防不正解
高齢者の孤立の予防は、介護保険制度や地域包括ケアシステムが担う課題である。この宣言は年齢を問わず、精神疾患への理解を広めることをねらいとしている。
- 3
精神疾患に対する正しい理解の促進正解
精神疾患は誰にでも起こりうること、早く治療すれば回復することなどを8つの柱にまとめ、国民全体に向けて示した指針である。
- 4
精神科に入院している患者の行動制限の最小化不正解
行動制限の最小化は精神保健福祉法が定めており、対象は入院中の患者である。この宣言が向いているのは、社会の側にある偏見のほうである。
📚 ここも一緒におさえておこう
精神保健の施策は、名前とねらいを入れ替えて問われる。出た年とねらいを並べて、流れとしてつかもう。
- 同じ2004年の精神保健医療福祉の改革ビジョンで、入院医療中心から地域生活中心へという方向が示された。
- いまはこれを引き継いで、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムづくりが進んでいる。住まい・医療・福祉・地域の支え合いを組み合わせ、精神障害があっても地域で暮らせるようにする仕組み。
- 2024年(令和6年)4月からは、民間の事業者にも障害のある人への合理的配慮の提供が義務づけられた。
参考: 厚生労働省「こころのバリアフリー宣言」(平成16年)/厚生労働省「精神保健医療福祉の改革ビジョン」
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について