第105回 看護師国家試験 午後 問50 解説

一般老年看護学✔ 監修済み

📝 問題

便秘の原因となる加齢に伴う身体的変化で誤っているのはどれか。

✅ 正解

3

💡 解説

✅ 加齢では便意を感じ始める直腸内圧の閾値は下がるのではなく上がり、便がたまっても気づきにくくなる。

直腸に便がたまって内側から押す力(直腸内圧)が一定の高さを超えると、便意が起こる。この起こり始める高さが閾値である。 加齢ではこの閾値が上がるため、便がたまっても便意を感じにくくなる。便が長くとどまるあいだに水分を吸われ、硬くなって出にくくなる。 閾値が下がるなら、少ない量でも便意を感じることになり、便秘の説明にはならない。

残りの3つは加齢で実際に起こり、便秘につながる。大腸粘膜の萎縮で腸液の分泌が減り、骨盤底筋群や腸の筋の力が落ちて、便を押し出せなくなる。

閾値とは

反応が起こり始める境目の値。直腸内圧がこの値を超えると便意が起こる。

  • 1

    大腸粘膜の萎縮不正解

    加齢で大腸の粘膜が薄くなると腸液の分泌が減り、便がすべりにくくなって硬い便につながる。加齢で実際に起こる変化である。

  • 2

    骨盤底筋群の筋力低下不正解

    骨盤底筋群は排便のときに腹圧をかけて便を押し出す。筋力が落ちると出し切れず、便が残りやすくなる。

  • 3

    直腸内圧の閾値の低下正解

    加齢では便意を感じ始める直腸内圧の閾値は逆に上がり、便がたまっても気づきにくくなる。閾値が低下するなら、少ない量でも便意を感じることになる。

  • 4

    大腸の内括約筋の緊張の低下不正解

    腸の筋の緊張がゆるむと蠕動運動が弱まり、便を先へ送る力が落ちて腸内にとどまりやすくなる。

📚 ここも一緒におさえておこう

高齢者の便秘は、どこでつまずいているかによって手当てが変わる。つまずく場所ごとに、生活のどこを変えるかまで言えるようにしよう。

  • 食事量が減ると便のかさも減る。水分と食物繊維をとって便の量を確保する。
  • 便意を感じにくいので、朝食後など決まった時間にトイレへ行く習慣をつける。
  • 前かがみに座り、足台を使って足を少し上げると腹圧がかかって出しやすい。

参考: 医療情報科学研究所編『病気がみえる 消化器』/標準的な老年看護学(加齢に伴う排泄機能の変化)

出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について

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