第105回 看護師国家試験 午後 問48 解説
📝 問題
認知症の高齢者に対するノーマライゼーションで正しいのはどれか。
✅ 正解
1
💡 解説
✅ ノーマライゼーションでは、認知症になっても散歩のような普段どおりの暮らしを続けられるように支える。
ノーマライゼーションは、障害があってもなくても、住み慣れた地域で当たり前の暮らしを送れるようにするという考え方である。 大切にするのは、本人が選んで決めることと、これまでの生活を続けることの2つ。
認知症の高齢者にあてはめると、散歩のような日課をそのまま続けられるよう支えることがこれにあたる。歩くことは体力と生活リズムの維持にもつながる。
残りの3つは、生活の場を移す、選ぶ機会を奪う、使い慣れた道具を取り上げるという方向で、いずれもこの考え方と逆を向いている。
- 1
散歩を勧める。正解
これまで続けてきた日課をそのまま続けられるようにする支援で、体力の維持と気分の安定にもつながる。
- 2
決められた服を着るよう勧める。不正解
着る服を決めるのは本人である。選ぶ場面を残すことが自尊心を保ち、残っている力を使うことになる。
- 3
重度の場合は精神科病棟に入院を勧める。不正解
重度でも、まずは在宅サービスやグループホームなど地域で暮らす方法を探す。精神科病棟への入院は、症状が激しく治療が必要なときに限られる。
- 4
食べこぼしのあるときに箸を使用しないよう勧める。不正解
使い慣れた箸を取り上げると、できていた動作まで失われる。食べこぼしには、器の形や座る姿勢を工夫する、滑り止めを敷くといった環境の調整で対応する。
📚 混同しやすいので注意
ノーマライゼーションは、似た理念と名前を入れ替えて問われる。理念ごとに「何を取り除くのか」を一言で言えるようにしておこう。
- ノーマライゼーション=障害があっても地域で当たり前に暮らせるようにする。デンマークのバンク-ミケルセンが提唱した。
- バリアフリーはすでにある障壁を取り除くこと、ユニバーサルデザインははじめから誰でも使える形にしておくこと。
- エンパワメントは、本人がもともともっている力を取り戻し、自分で決められるようにすること。
参考: 系統看護学講座 老年看護学/標準的な老年看護学・社会福祉の理念(ノーマライゼーション)
出典:「第105回看護師国家試験の問題および正答について」(厚生労働省)を加工して作成 → 出典について